"Electrical control of the ferromagnetic phase transition in cobalt at room temperature" D. Chiba et al., Nature Mater., in press (2011). これまでのエレクトロニクスは基本的に電子の運動=電流を扱ってきたわけだが,近年はそれに加えて電子の向き=スピンの方向も利用できるパラーメータに加えようという研究(spintronics)が盛んである.例えば電流のかわりにスピン流を流してみたり,電流で磁化の向きを反転させたり,はたまた逆に磁化によって電流を制御したり,とまあ,そういったものだ.さて,そういった例には成功しているのだが,強磁性そのものを電場でスイッチングする,つまり電場をかけたり切ったりすると磁石になったり磁性が消えたり,というのはなかなか難しかった.これ