核兵器を保有するパキスタンのシェヘザード・ワシーム上院議員が11日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。隣国インドとの緊張関係に触れ、「生き残りのために核抑止力を持っているが、決して自国が使うとは考えていない」との見解を示した。 志賀賢治館長の案内で原爆資料館を見学。原爆で壊滅した広島の街の様子を伝えるCGや、焼け焦げた三輪車などに見入っていた。原爆慰霊碑を参拝し、同館で被爆証言も聞いた。 報道陣の取材に対し、インドとの緊張緩和に向けて平和的な解決を求めていく考えを強調。「戦争が起これば、必ず全員が敗者になる。人々は平和や世界の繁栄のために努力をするべきだ」と述べた。外務省の招きで来日し、本人の希望で初めて広島を訪問した。(江川裕介) (2019年3月12日朝刊掲載)