単行本や新書、小説などで「水道」が盛んに取り上げられている。ベストセラーのトップになっている本もある。国会では、「水道水」を巡る議論が佳境を迎え、水道法の改正案は、2018年12月4日には参院厚生労働委員会で可決、今国会で成立する見込みだ。 水道水の民営化問題は、主に地方都市で問題になっていたことだったので、全国紙での取り上げが遅れていたが、さすがに最近は目立つようになっている。 「民営化の必要性は依然はっきりしない」 この法案は、自治体が持つ水道の運営権を民間企業に売却することに道を開く内容。2日の毎日新聞社説は「水道事業の運営権売却 不安の声に答えていない」という見出しで懸念を表明している。 水道事業は市町村による経営が原則だが、人口減少に伴い需要が減り続け、事業を取り巻く環境は厳しさを増している。民間企業に運営権を売却する手法が浮上している背景には、そうした状況がある、と同紙は認めつ
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 「実話怪談」「ネットロア」「人間関係」「緊張感」「百合」――これらの言葉に強く反応してしまう人が、手に取るべき本があります。宮澤伊織さんの『裏世界ピクニック』(早川書房)です。 偶然〈裏世界〉に入り込んでしまった大学生・紙越空魚(かみこしそらを)は、ある出来事をきっかけに金髪美人の仁科鳥子(にしなとりこ)に出会います。鳥子は行方不明になった閏間冴月(うるまさつき)を探し、日々裏世界にもぐっていたのでした。 「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」といったネット上で囁かれる怪談が、本当に起こる奇妙な世界を、2人は“探検”していくことになる――というストーリー。現在小説3巻、コミカライズ1巻が刊行されています。 『裏世界ピクニック』宮澤伊織さんに百合について聞いてきました! 本作は、SFやネットロアホラーとしての面白さと同時に、百合作品とし
こんにちは。フロクロです。 今日、無料で漫画が読めるサイト「漫画村」が閉鎖し、「サイトが見れない!」と話題になりました。 今まで漫画村で暇をつぶしてたのに……という人も多いと思います。 そこで、今回は漫画村終了後も使える無料で様々なコンテンツが読めるサイトを4つ紹介したいと思います! ※注意:海外のサイトを含みます。 1.OpenStax openstax.org 米ライス大学が設立した、主に大学レベルの教科書を無料で提供しているサービス。物理学、経済学、心理学など様々な科目の教科書が用意されており、そして全てピア・レビュー(※査読。研究者同士で内容を検討すること。)済みなので内容も保証されています。それが全て無料! ウェブ上での閲覧の他、PDFやkindle版もあり、印刷されたものもAmazonで格安で手に入ります。紙派にもうれしいですね。 英語で書かれた教科書は、日本語のものと比べて解
こんにちは、ブクログ通信です。 ポール・オースター、スティーヴ・エリクソン、スティーヴン・ミルハウザーなど数々の現代英米文学の翻訳、また村上春樹さんとの交流でおなじみの、米文学研究者・柴田元幸さんの待望の新訳、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』が2017年12月20日に刊行されました。 今回、ブクログ通信は『ハックルベリー・フィンの冒けん』刊行記念としてて1月24日(水)青山ブックセンター本店で開催された「『ハックルベリーフィンの冒けん』と翻訳 柴田元幸トークイベント」に潜入! なんとイベント直前に貴重なお時間をいただき、柴田元幸さんへの独占インタビューが実施できました!まずはそのインタビューからお届けします! 『ハックルベリーフィンの冒けん』と翻訳 柴田元幸 トークイベント」満員御礼! 1月24日(水)青山ブックセンター本店 取材・文/ブクログ通信 編集部 持田泰 著者
1937年に没したアドラーの考えを広め、年間ベストセラー(ビジネス書ジャンル)のトップ3に4年連続でランクインした『嫌われる勇気』。1937年に書かれた原著を漫画化し、やはり95万部と驚異的に売れている『漫画 君たちはどう生きるか』。 なぜいま、これらの本が大ヒットしているのか?『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の共著者である岸見一郎氏と古賀史健氏、そして『漫画 君たちはどう生きるか』を含め3冊すべてで編集を担当した柿内芳文氏に、ベストセラーの本づくりの裏側を聞いた。(構成:田中裕子、撮影:山本純子) ● 原作をどう「再編集」するか ──『嫌われる勇気』『漫画 君たちはどう生きるか』はそれぞれ、アドラー心理学の教えと歴史的名著を現代に蘇らせた作品です。しかし古典は、ともすればとっつきづらく説教くさく感じることも少なくありません。現代の読者と古典をつなげた編集の工夫があれば教えてください。
いよいよ年末年始。帰省先でも自宅でも、コタツにみかんとスマホがあれば過ごせてしまうという人は、あえて少し難しいテーマの本を手に取ってみませんか? といっても、堅苦しく考える必要はナシ。本誌のマネー特集ではおなじみの「行動経済学」をマンガで学べる本、あの人気女優が「苦手を克服するため」ホストを務めた鼎談(ていだん)本など、気軽に読める本ばかりです。読み終えた後は、以前よりちょっと賢くなった気分になれるかもしれません。 【関連画像】橋本治「いとも優雅な意地悪の教本」集英社刊、760円 ●佐藤雅彦さん他 「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」 ●人はなぜそれにお金を出すのか 月に数回、とあるレストランのランチタイムに訪れる女性3人組。2000円のAランチと1000円のBランチを「コスパがいいのはBランチ!」と迷わず安いほうを注文していた3人の前に、ある日4000円のSランチが登場。そのとき、3人
新しい本を書きました。 前作『アイデア大全』の続編で、問題解決についてツールを集めた道具箱のような本です。 このトピックに関する限り、知ってることは全部書いたので、ブログでおなじみのトピックも、一度も書いてないことも、すべて盛り込みました。問題解決についての技法の集大成になってます。 今回も、情報拡散や感想、書評などでご支援いただけると幸いです。 (追記 2017.11.22) 関係者様のご尽力と読者の皆様のご支援あって、 『アイデア大全』『問題解決大全』ダブル増刷、決まりました。 『アイデア大全』7刷 40000部、『問題解決大全』2刷 24000部となりました。 引き続き、情報拡散、店頭での目撃報告、感想等、よろしくお願い致します。 問題解決大全 ビジネスや人生のハードルを乗り越える37のツール The Problem Solving Skills Dictionary 著者: 読書
最近の経済学は、これまで「経済学」と聞いてぱっとイメージすることと、ちょっと離れたことが研究対象になっている。 例えば感情だ。 私たちは、人が感情に左右されることを知っている。幸福感でいっぱいならやる気はでるし、なんとなくうまくいかず気分が乗らない日は成果も乏しい。 幸福度が高いと、生産性が高まることを裏付ける研究も進んでいる。大竹さんもいうように、まさに笑う門には福来たるだ。 一方で、感情を軽視すると、人の生産性を下げることにつながるという研究もある。 部下がいるビジネスパーソン必読「怒り」に着目した研究結果が紹介されている。ここは部下をもつビジネスパーソンにとって、まず必読のパートだ。 怒りっぽい上司が怒っているときに、わざわざ話をしようと思う人はいない。「落ち着いたときに話をしようかな」とか「時間を置くか」と考える。 人間が完全に合理的なら、与えられた情報に基づく意思決定は、感情に左
『月がきれい』が好きだ。 『月がきれい』は、中学生の淡い恋を柔らかく描いたアニメだ。これを観るのが、楽しみのような苦しみになっている。 初心な二人が、ゆっくり恋を育てていく様子が愛らしく、その嬉しさ恥ずかしさが甘酸っぱく伝わってくる。その一方、劣等感と自己嫌悪に苛まれていた自分の過去を思い出し、苦しくなる。 作中、ある重要なタイミングで、村下孝蔵の『初恋』が流れたとき、涙が止まらなくなった。これ、二人がずっと後になって振り返ったとき、あの日から互いの人生が重なり始めたんだということが、視聴者にだけ分かるという演出になっている。シナリオゲームでいう分岐点だね。「好きだよ」と言えずに初恋が終わるルートなのか、「月がきれい」と伝えた夜から始まるルートなのか。 恋が終わってしまう分岐は沢山ある。「想い」に気づかないうちにクラスのみんなにからかわれるエンド。告白玉砕エンド。LINEがつながらなくてす
そのものズバリ、聞きたいことをそのままタイトルにした本です。曰く:人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか? https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766424072/ “最大の謎”の解明に挑む! 働き手にとって最重要な関心事である所得アップが実現しないのは、なぜ? 22名の気鋭が、現代日本の労働市場の構造を、驚きと納得の視点から明らかに。 ▼企業業績は回復し人手不足の状態なのに賃金が思ったほど上がらないのはなぜか? この問題に対して22名の気鋭の労働経済学者、エコノミストらが一堂に会し、多方面から議論する読み応え十分な経済学アンソロジー。 ▼各章は論点を「労働需給」「行動」「制度」「規制」「正規雇用」「能力開発」「年齢」の七つの切り口のどれか(複数もあり)を中心に展開。読者はこの章が何を中心に論議しているのかが一目瞭然に理解できる、わかりやすい構成とな
アイデア大全 単行本(ソフトカバー)336ページ 判型:A5変形 寸法: 21 x 14.8 x 2.5 cm 出版社: フォレスト出版 ISBN-10: 4894517450 ISBN-13: 978-4894517455 発売日: 2017/1/21 書き下ろしです。 タイトルどおり、アイデアのつくり方、発想法の本です。 このトピックに関する限り、知ってることは全部書いたので、ブログでおなじみのトピックも、一度も書いてないことも、すべて盛り込みました。アイデア、発想法関連の集大成になってます。 無名の新人ですので、情報拡散や感想、書評などでご支援いただけると幸いです。 読者予定者の方へ 表紙も背表紙も小口もページもみんな黄色です。 リアル書店での捜索にご利用ください。 この本を読んで欲しい人 想定読者は、いままでの考え方を変えたい人やアイデアを必要としている人ですが、実は、発想法なんて
興味深く、ある書籍を読んだ後、そのことをこのブログに書くことを、なんとなくではあるがためらう機会が増えてきてしまったようにも思う。そうだなあ。特に理由はない。そうした一冊として、ワシントン・ポスト取材班とマイケル・クラニッシュ、その他による『トランプ』(参照)がある。10月10日に出版されすぐに読み、読後、奇妙な感慨があった。ドナルド・トランプという人をこうして、自伝以外からきちんとジャーナリズムを通して眺めて見ると、なかなかに味わいの深い奇妙な人物である。本書はその陰影をまずこう述べている。 ドナルド・トランプは称賛であれ批判であれ、注目されるのは良いことだと考えている。自分のイメージがそのままブランド・イメージになるため、自分そのものがブランドイメージだという信念で生きていきた。私たちは、トランプも他の人同様、噂やブランド通りではないという考えの下で取材にあたった。そしてその通りだった
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プログラマの格言に、「動いているコードに触るな」がある。ビジネス環境の変化に合わせ、巨大なシステムを維持・改善していく上で、ほぼ原則といってもいい。 その意味はこうだ。長いこと複雑怪奇な状態なのに、なぜか正しく動いているプログラムに対し、不用意に手を入れると、思いもよらない不具合が出る(これをデグレードという)。一見冗長で、まわりくどく無駄なことやっているようなので、よかれと思って直す。すると、触った部分とは関係なさそうな別の場所・タイミングで、予想外の動作をする。結果、因果が特定できないまま解析が長引くことになる。きちんとリソースを充てて改善するならともかく、「なぜ上手く動いているか」が分からないまま改修するのは、非常にリスキーなのだ。 人体に常在し、ヒトと共進化してきた100兆もの細菌群を「マイクロバイオーム」と呼ぶ。このマイクロバイオームの多様性を描いた本書を読むと、抗生物質の濫用に
「バグを排除しようと圧力をかけると、バグが報告されないプロジェクトになる」 この寸言は、よく忘れられる。シックス・シグマや日経ナントカに染まった管理者が、バグを目の敵にし、バグゼロの号令をかける。不具合が表面化すると、たまたまそこに詳しいだけの担当を犯人扱いし、なぜなぜ分析を強要し、ccメールや全体会議で晒し者にする。 なぜなぜ分析とは、「なぜそれが起きたのか?」「その原因の原因は?」と、原因を幾重にも掘り下げる手法のこと。5段階も遡及すると、たいてい「私の不注意でした」となり、対策は「意識を入れ替える」という小学校の学級目標になる。反面、もっと深刻な「仕様変更が電話口で伝えられていた」とか「アジャイルの名のもとにテストが省略されていた」などは放置される(なぜなら、「人」を原因にしたいから)。 こんな冗談みたいな施策を続けていくと、スケープゴートになった人はどんどん心をすり減らし、不具合の
極上のクライムノベル&今年のベストミステリ。 スピード、パワー、ヒリヒリ感、どれも一級の犯罪小説。ページめくる手が止まらないどころか、疾走するようにイッキに読む。非情で、優秀で、あくまで己に忠実な「私」は、今まで読んで/観てきた悪党小説の主人公を彷彿とさせる(一番近いイメージは、リチャード・スタークの悪党パーカー)。読めば読むほど、アドレナリン出まくる、ヤバい読書と相成った。 『時限紙幣』は、文字通り時限爆弾つきの120万ドルの札束だ。GPSが付いていて、誤った場所に動かしたり、電池が切れたり、時間切れになると、爆発する。これを48時間以内に奪還するのが「私」の仕事だ。「ゴーストマン」と呼ばれ、名前、特徴、指紋、過去、あらゆるアイデンティティを消し去ることで、誰にでもなれる。抑揚と描写を削ぎ落としたキレッキレの一人称は、彼の仕事ぶりをそのまま表している。ときに裏社会のディテールや、犯罪の薀
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