石原慎太郎については、このCINRAの連載(※右記関連リンク参照)で散々書かせていただいたので、私見を述べることは何とか最小限に留めたいが、そうは問屋が卸さないかもしれない(誤用気味)。この連載回を書き終えた後、編集長から「他の回と比べて、ただの文句みたいな箇所も結構あったよね」と指摘されたのを思い出す。石原慎太郎という存在は、あらゆるちゃぶ台を根こそぎひっくり返すモンスターと言いましょうか、ちょっとだけかけようと思ったら蓋がとれてパスタにタバスコが丸ごと1本分かかっちゃったと言いましょうか、とにかく常にそういうストレスフルなアイコンなのであります。 「これから一年間も慎太郎の小説を読み続けるのかと思うと……ホントにもう想像するだにうんざり。いったい何の罰ゲームだよ」(豊崎由美)と宣言して始まる本書は、二人の批評家が、「とはいえ実は石原慎太郎の作品群に触れてこなかった」「文壇で正確な評価を