2010年06月03日07:01 カテゴリ小説哲学・思想 存在の耐えられない軽さ 先日の「東洋経済」で、佐藤優が知り合いに紹介することが多い小説としてこの『存在の耐えられない軽さ』を紹介していた。しかもビジネスにも使える小説として紹介していた。正直なところこれはよくわからないが、この小説が素晴らしい小説であることは間違いない。 著者のミラン・クンデラは現代小説の中でヨーロッパ最大の作家といわれている。この『存在の耐えられない軽さ』は一応恋愛小説だが、哲学・思想などが絡んでいてとても面白い。 例えば次のような文章がある。 「われわれの行動を誰かが注目しているときには、望む望まないとにかかわらず、その目を意識せざるを得ず、やっていることの何ひとつとして真実ではなくなる。観客を持ったり、観客を意識することは嘘の中で生きることを意味する」(p114) これは明らかにミシェル・フーコーのパノプティコ