大雪の影響で、3月末で廃線になるJR三江線(広島県三次市-島根県江津市)の運休が、山間部の一部区間で1カ月以上続いている。鉄道ファンらの姿は遠のき、廃線前の「特需」に期待した地元観光業界も打撃を受けているが、復旧のめどは立っていない。 「このまま廃線になってしまうのか……」 始発駅の三次駅近くの「三次グランドホテル」の担当者はこう嘆く。運休前は、始発列車に乗るために多い時には50~60人が駅ホームに列を作り、北海道や関東などからの宿泊客が1日平均約20人いたが、1月11日の運休開始後はほぼゼロになった。 JR西日本によると、運休区間は全線108キロのうち、三次-浜原(島根県美郷町)間の58キロ。積雪のほか、雪の重みが原因の線路への倒木が100カ所以上あるという。復旧作業は難航し、代替バスを運行している。