「あなたが先輩方の築いた遺産を食い潰した!」 分裂が決まった社民党の党大会は、飛び交う怒号で包まれていた。 そして、かつては政権も担ったあの社民党の国会議員がわずかになってしまった。 社民党はこのまま消えてしまうのか。関係者へのインタビューで迫る。 (宮川友理子、並木幸一、佐久間慶介) 最後の1人? 「『えっ、1人』っていう感じはある。でもあまり暗い顔をしていても人も寄ってこないしね…」 党大会に先立つ10月下旬。すでに社民党内は分裂が避けられない情勢だった。 福島が、淡々と語っていたのが印象に残る。 自民党の対抗勢力として 社民党の前身は、旧社会党だ。 終戦直後、労働運動に携わっていた人たちを中心に結成された。格差の解消、平和主義や護憲などを掲げ、保守勢力の自民党と、革新勢力が拮抗するいわゆる「55年体制」でもう一方の主役を務めてきた。 関係者は、功績をこう語る。 「医療や年金などで『保