早いもので一月も終ろうとしている。オミクロン猖獗もまだ天井を打っていないようだし、雪も多い、寒々しい一月だった。その割りには古本はけっこう買っているけど。 そんなやや憂鬱な気分のところへ某氏より珍本を頂戴した。藤島まき『いとなみ』(萬里閣、一九四一年三月二〇日、装幀=靉光)、序文が島木健作で、なんと装幀は靉光だ。添えられた手紙にはこうあった。 《昔買った本で、靉光のものが出て来ました。珍しいので送ります。(汚いですが)。靉光と藤島まきの関係はわかりません。当時は内容よりも誰が装丁したかに関心事はあり千葉の古本屋から買った記憶しかありません。靉光の装丁本はこの本と、大江賢次「逞しき生存」(昭和16.3 萬里閣)しかわかっていませんが。》
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