2014年2月に刊行された大野更紗・開沼博著『1984 フクシマに生まれて』(講談社)。その刊行記念として3月23日に池袋で開かれたトークイベントでは、本書の紹介に留まらず、著者のふたりが考える「現代社会を生き抜くために、今、読むべき30冊」が紹介された。1984年、福島県生まれという共通点を持つふたりは、いま読者に、どんな本を手に取ってもらいたいと考えているのか。イベントの抄録をお送りする(構成/金子昂)。 大野 みなさんこんにちは、大野です。 開沼 開沼です。よろしくお願いします。 大野 今日は日曜日の午後という貴重な時間にもかかわらずトークイベントにお越しいただいて本当にありがとうございます。会場であるリブロ池袋本店さんが入っている百貨店があまりに混んでいて、駅の改札からこのイベントルームに辿り着くまでに、35分もかかりました。車椅子がぜんぜん前に進まなくて。 開沼 まずは『1984