とはいっても趣味で読むレベル。たまたま生協でぶらついて見つけたこの本を読了。 普遍論争 近代の源流としての 山内 志朗 哲学書房から出された本の平凡社ライブラリーへの収録。加筆があり、さらに付録として中世哲学人名辞典というのがついていてコレがかなり良い。すごく便利。 内容はというと、「普遍論争」ってのは世界史レベルで習うのだけど、そのような単純な図式が中世スコラ哲学の面白さを損なっており、中世において本質的な問題は「代表」に関する理論であったというお話を、歴史実証的、哲学的に初心者にもやさしく書いてある良書。 一般的な理解として「普遍論争」とは、個物をまとめあげるものとして「普遍」が存在するか否かというお話でありまして、これまた形而上学にちょっと足を踏み入れなければこのレベルを理解するのが難しい。まあ世界氏レベルだと、この話はいかに中世哲学が非常にトリビアルかつ権威的であったかの例に出され