九州電力川内原発1号機は再稼働したが、本格的な「原発復権」の見通しは立たない。また、国の新規制基準は安全性の保障にはならない。今後必要なのは全面的な原発廃止を視野に入れた総合的政策だ。 難航する原発再稼働九州電力川内1号機が、8月11日に再起動、9月10日に営業運転に入った。これは原子力規制委員会が設置されてから最初の原発再稼働となる。福島原発事故(2011年3月11日)から4年半もの歳月を要したことになる。 日本の原子力関係者の願いは、これを機に日本全国で原発再稼働の流れが定着することである。だが2015年内の再稼働は、川内2号機(10月再起動、11月営業運転開始見込み)と合わせ、全国で2基止まりとなろう。原子力規制委員会が本年2月12日に全国で2番目に原子炉設置変更許可を出した関西電力高浜3・4号機は、福井地裁による運転差し止め仮処分決定(4月14日)により、年内の再稼働は絶望的だ。ま