原発と核――。この問題に対して沈黙を守る政界において、唯一、持論を展開しているのが、自民党の石破茂政調会長である。防衛庁長官、防衛大臣を歴任した石破氏に「原発と核を巡る問題点」を聞いた。 * * * ――日本以外の多くの国では、原子力政策と核政策はセットとなっており、本来、切り離すことができない問題です。しかし、日本においては、核アレルギーもあり、これまで論争自体が避けられてきました。その流れの中で、今回の脱原発論争からも核問題は抜け落ちていますが、石破さんのお考えは? 石破:私は核兵器を持つべきだとは思っていませんが、原発を維持するということは、核兵器を作ろうと思えば一定期間のうちに作れるという「核の潜在的抑止力」になっていると思っています。逆に言えば、原発をなくすということはその潜在的抑止力をも放棄することになる、という点を問いたい。 そもそも、核兵器とはそんなに簡単に持てるものではな