七月の参院選の直後、小泉純一郎元首相が「自民党は敗北に耐え切れるか、民主党は勝利に耐え切れるか」と語ったという記事を新聞で読んだ記憶がある。うまいことを言うものだと感心していたが、実際に、安倍晋三前首相は敗北に耐えきれず退陣し、また、小沢一郎代表も勝利に耐えきれず大連立の誘いに乗りかかり、それを党内から拒絶され、一度は党首辞任を表明した。敗北に耐えきれずやめるのは分かりやすいが、勝利に耐えきれずつぶれることは分りにくい話である。なぜ小沢が勝利に耐え切れなかったのか、また民主党が政権を目指すうえで、どうすれば勝利に耐えていけるのか、考えてみたい。 単なる野党が政府の政策に反対することは、無力であるが容易である。しかし、参議院で多数を占める野党が反対することは、実際に政策を葬ることを意味する。そうなると、政府の政策を葬ることへの責任を問われることとなる。覚悟や決意がなければ安易な反対はできない