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ブックマーク / workhorse.cocolog-nifty.com (22)

  • 和魂と洋才と残業したい人々(下) - マーケットの馬車馬

    終身雇用、年功序列、そして持ちつ持たれつ助け合い、と並べると、何だか日の会社というのは随分と居心地が良さそうに思えてくる。実際、こういうことを思う人は少なくないらしい。で、「この厳しい国際競争の世の中では、日企業のような甘っちょろい組織は生き残れない!」といった、様式美と呼ぶべきお約束の議論が始まるわけだ。 しかし、日の企業というのはそんなに甘い組織なのだろうか。そして、容赦なくクビを切る(と言われる)欧米の企業というのは、そんなに厳しい組織なのだろうか。正直、筆者には、日の企業が"使えない人々"に対して甘い組織だとは到底思えないのである。 同僚に"優しい"組織 海外のオフィスにお邪魔していると、当然一緒に夕飯をべたりすることもあるわけだが、そういう席で"上司の悪口"で盛り上がるのは洋の東西を問わない。悪口の中身も、自分の業績を取られただの、査定が低すぎるだの、自分のやりたいこと

    和魂と洋才と残業したい人々(下) - マーケットの馬車馬
    udy
    udy 2009/06/14
    どんな制度にも長所短所はあるわけだけど、時代状況によって有利なシステムは出てくるんだろう。21世紀はジェノアとマグレブどちらに有利なのだろうか。
  • 和魂と洋才と残業したい人々(上) - マーケットの馬車馬

    筆者が海外のオフィスにお邪魔した時、最初に違和感を感じたのは電話だった。オフィス中に反響しそうな勢いでビービー鳴っているにもかかわらず、誰もその電話を取ろうとしないのである。こちとら「誰の電話が鳴っていようと、3コール以上通話相手を待たせるべからず」という鉄則を叩き込まれてきたクチだから、これはどうにも落ち着かない。3コール目くらいからソワソワし始め、5回、6回、と心の中で指折り数えてしまう。集中力もへったくらもあったものではない。7コール目くらいになると救いを求めて秘書の方を見るのだが、これまた泰然と無視なさっておられる。どれだけ大物なんだ。さぞかし名のある家の出に違いない。次からはマダムと呼ぼう。 そういう益体もないことを考えている間に、電話のコールは十を数える。こちらは何もしていないのに既に疲労困憊である。流石にこのころになると、周囲も電話のことを気にかけ始めるのだが、その態度は明確

    和魂と洋才と残業したい人々(上) - マーケットの馬車馬
  • 和魂と洋才と「会社」の仕組み - マーケットの馬車馬

    初めて会った外国人と話す時の"お決まりのネタ"のひとつが、「日人が働き過ぎるのはなぜか」というものだ。日では"work for life"ではなく、"life for work"であるらしい、というのは、誇張交じりにせよ海外でもよく知られている。そしてこのネタになると、欧米人は心からの同情を込めて、馬車馬のように働くこの哀れな日人を慰めてくれるのである。「人生に疲れたら僕の国においで」、と。こう言ってくる時、彼らの頭の中でドナドナの悲しい調べが奏でられていることを筆者は疑わない。 この件に限らず、日人の働き方が欧米のそれとは大分異なっていることはよく知られているし、日人の側でもそれなりの自覚がある。なぜ日ではどいつもこいつも長々と残業しているのか? なぜ日の会社は中途採用に対してこれほど消極的なのか? 成果給はなぜいつまで経っても根付かないのか? 日の労働組合はなぜ企業と戦

    和魂と洋才と「会社」の仕組み - マーケットの馬車馬
    udy
    udy 2009/05/08
    再開おめ。続編にも期待。
  • イスラエルのしっぺ返し戦略 - マーケットの馬車馬

    The Economistの先週号と今週号の記事を読んでいて「うまいこと言うなぁ」と思ったのは、イスラエルの戦略をtit-for-tat戦略であると表現していた点だ。Tit-for-tat戦略というのは、何らかの交渉事において、「とりあえず最初は相手と協力を試み、相手に裏切られたらこちらも裏切り、相手が協力する限りはこちらも協力し続ける」という、ゲーム理論ではおなじみのしっぺ返し戦略の一種だ。単純な割に効果の高い戦略として知られている(注1)。 実のところ、これはイスラエルの「抑止力戦略」そのものだ。敵国から攻撃を受けたら、あらゆる手段を用いてでも、倍返し三倍返しで反撃する。それを学んだ敵国は「イスラエルを攻撃すると後が面倒だ」と、攻撃そのものを控えるようになる。(原則としてこれは自衛のための戦略であるという点に注意。)この観点から見れば、死者の数に著しい不均衡が生じるのは、もともとの戦略

    イスラエルのしっぺ返し戦略 - マーケットの馬車馬
  • 今週のThe Economist: ガザ:正当なこと、そうでないこと - マーケットの馬車馬

    原題:Israel’s war in Gaza: The rights and wrongs 明けましておめでとうございます。更新が大きく遅れてごめんなさい・・・という話は、最近毎回書いているような気がするのでサブブログの方に譲ることにします。今年はもう少し頻繁に更新できるといいのですが。 さて。ガザが大変なことになっている。この件がしんどいのは、誰に聞いても現実的な解決策が出てこないという点だ。そうなると、「イスラエルの行動の何が間違っていて、どうすべきだったのか」という筋での議論は著しく困難になる。何を言っても説得力がないのだからしょうがない。で、その代わりに、これは戦争ではなく虐殺だ、人道上看過できない、学校に砲撃を加えたことで国際世論を完全に敵に回した、と言った半ば情緒的な議論が増えることになる。 別にこういう意見を批判するわけではない。パレスチナの側からみればこれは確実に虐殺であ

    今週のThe Economist: ガザ:正当なこと、そうでないこと - マーケットの馬車馬
    udy
    udy 2009/01/08
    世界の理不尽を凝縮したような状態になっちゃってるからなあ。ほんとに解決策が見えない。それでも人は生きていく。
  • 和魂と洋才と医療の崩壊(下) - マーケットの馬車馬

    随分間が開いてしまったが、前回と前々回で、日社会の評判メカニズムが機能しなくなると、社会のあちこち(温泉であったり、救急医療だったり)が綻んでいく、と書いた。しかし、ここで話を〆てしまうと、結局「昔は良かった」というご老人の繰言と大差がなくなってしまう。そこで今回は、前回に引き続き医療を例に取りながら「じゃぁ、どんなシステムならうまくいくのか?」ということを考えてみたい。 こちらの記事によると、医療サービスで未払いが多いのは産科と外科(救急)なのだそうである。理由としては所持金不足や経済的理由(所得不足)が挙げられているのだが、来所持金不足は理由になるわけがない。経済的に困窮していないのであれば、手持ちのお金が足りないなら後で払えばいいのである。これは単に借金を踏み倒しているだけのことだ。 とりあえず産科に議論を絞ると、ひとつの理由として考えられるのは、産科と患者とはほとんどの場合「一

    和魂と洋才と医療の崩壊(下) - マーケットの馬車馬
    udy
    udy 2008/03/25
    "最適な医療システムを考える上で、「低所得者をどうするか」という点を考慮する必要はない。""低所得者を救う責任は病院にはなく政府にこそあるのだ"ここポイント
  • 人生という相場に向き合う方法 - マーケットの馬車馬

    長い間ブログを放り出してすみません。私事の高波に押し流されていました。その間に和魂洋才シリーズのメモをなくしてしまい、それに凹んで更に更新が遅れたのですが。現在暇を見つけて少しずつ再構成中なのでもう少しお待ちください(色々なことを書く予定なので、どういう順番に書いていくのかが結構問題なんです。一部の説明は他の理解を前提にしていたりしますので)。 そこで、正月に書き損ねた話題を改めて書いてみようと思います。どこで誰が書いていた話題だったかは忘れましたが、「努力したって成功するとは限らないのだから、努力したってしょうがない」または「努力すれば何とかなるとか言う妄言にだまされるな」とか、大意そんな感じの発言をその当時頻繁に見たような気がします。当時はしょうもないことを、と思って読み流したわけですが、色々考えると結構難しい問題をはらんでいそうなので、少し書いてみようと思います。 人生のリスクとコス

    人生という相場に向き合う方法 - マーケットの馬車馬
    udy
    udy 2008/03/11
    "救われない「不運」について"http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_bdfd.html の時もだけど、この人の意見が最も説得力を感じる。
  • 和魂と洋才と医療の崩壊(上) - マーケットの馬車馬

    前回、ギルド社会で赤の他人を信用できるのは評判メカニズムのおかげであり、そしてその信頼関係は異分子の混入に対して脆弱なので、ギルド社会は質的に排他的にならざるを得ない、ということを書いた。それこそが銭湯などでの「日人は外人を差別する」というお約束の主張につながっていくのだ、という所で〆たわけだが、別に異分子とは外人に限らない。ギルド社会が機能不全に陥れば、誰だって異分子になってしまうのだ。今日はそんな話を。 人間社会と人間の意識、そして人間の選択 医療の話に入る前に、前々回のおさらいもかねて評判システムのメカニズムをもう一度確認しておきたい。とある社会に多くの人がいて、この人々は互いに協力しながら頑張って生きているとしよう。そして、世の中の常として、裏切りは少なくとも一時的には得になる。仕事をサボって相手に押し付ける、売上金パクって逃げる、などなど、挙げればきりが無い。 もし裏切られた

    和魂と洋才と医療の崩壊(上) - マーケットの馬車馬
    udy
    udy 2007/12/03
    制度設計の大切さ。
  • マーケットの馬車馬: 和魂と洋才と温泉のガイジン

    や日文化が好きな外国人というのは昔も今も結構多い。その中でもとりわけ彼らのジャポニズム心を刺激するのが温泉や銭湯であるらしい。こちらのページでもやたらと絶賛されているし、筆者の友人にも温泉ガイドブックを辞書を引きながら頑張って読んでいる人がいた(一方で、他人と一緒に風呂に入るというのはどうも馴染めない、という人も多いが)。 我々が外国すげえ、と思うのは日ではとても出来そうにないことが当たり前に行われているからであり、海外の人間が温泉を見て喜ぶのはあんなシステムが彼らの母国ではとても出来ないと思うからである。上のページはこんな文章で締めくくられている。『驚くほど見事なトイレや風呂を開発することは、われわれにもできるかもしれない。しかし、穏やかで平等な、信頼関係が成り立っている社会、犯罪もなく、素晴らしい技術をわずか3ドル程度で楽しむことができ、そして大勢の他人の前で裸でいられる、そ

    マーケットの馬車馬: 和魂と洋才と温泉のガイジン
    udy
    udy 2007/11/25
    "異分子が混入すると突然システムが破綻をきたしかねないギルド社会の脆弱さ"
  • 和魂と洋才とユダヤの商人 - マーケットの馬車馬

    もう何年も前の話になるのだが、コーポレートガバナンスという「洋才」を使いこなすために「洋魂」が必要かもしれない、というエントリーを読んで色々と考えたことがある。日の社会というのは、欧米のそれとは少し違うものであるらしいということはよく知られている。ここが違う、あそこが違う、と言い合うのは、ある種の「お茶漬けナショナリズム」とも相まって、海外旅行をした日人の楽しみの一つでもある。 しかし、この手の話題は大概非常にあいまいなところでストップする。海外だと接客態度が悪すぎる。目の前に困っている客がいるなら、何とかしてやろうと思うのが自然ではないのか。欧米の企業に比べて日の企業は非効率すぎる。みんな仲良く残業しなきゃいけないなんてナンセンスだ。この手のお約束トークは挙げればきりが無いが、「では何故日ではそうなっているのか?」という段になると、大概が精神論で終わってしまう。日人の気質だから

    和魂と洋才とユダヤの商人 - マーケットの馬車馬
  • 救われない「不運」について - マーケットの馬車馬

    昨日になって、最近(それとも今更、なのだろうか?)話題の赤木智弘『「丸山眞男」をひっぱたきたい』を読んだ(丸山眞男と聞いただけで難しそうだったので敬遠していた)。色々な意味で救いの無い話だなと思ったのだが、以下感想を。 氏の議論の持って行き方を自分なりにまとめると以下のようになる(なお、私は右翼だ左翼だ論壇だという話題には興味が無いので、そういう視点からの理解はしていないという点はご承知おき頂きたい)。 フリーターで生活が厳しい。 これは不景気のしわ寄せが若年労働者に集中したからであり、企業がフリーターやニートを働かせようとしないからである。 よって、『過去に遡って、ポストバブル世代に押しつけられた不利益を是正』すべき。 不景気のしわ寄せが若年労働者に集中したのは、平和な日社会が現状維持を志向しているから。 よって、現状維持が出来なくなるような突発的なイベントが起これば自分も救われるかも

    救われない「不運」について - マーケットの馬車馬
    udy
    udy 2007/08/27
    "就職氷河期に就職に失敗した人たちが、その不運を不景気や社会に帰する正当な理由はマクロなレベルでは存在する。 ただし、その正当な理由は彼らを救済してはくれない。"残酷だが正論であり、正論とは残酷なものだ。
  • 匿名の理論価格(下) - マーケットの馬車馬

    さて、前回は、匿名と実名の問題は実はオプション理論で考えられる、という話をしたわけですが、今回は題である「匿名と実名の価値はどう変化して、いつ実名が有利になるのか」を考えていきましょう。 匿名の価値を決める3要素 前回書いたとおり、上の図の灰色の曲線こそが匿名の「真の価値」なのですが、これは3つの要素で決まってきます。 1.ブログの評判 これは当たり前ですね。評判が上がれば上がるほど、灰色の線は上昇しています。そして、評判が下がっても灰色の線はマイナスになりません(あなた個人は損をしない)。これは前回説明したとおり、匿名ならトンズラこけるからであります。 2.評判のぶれの大きさ ここが題です。ブログで朝顔の観察日記を書くと考えましょう。この場合、あなたが何を書こうが、ブログの評判は多分上がりもしなければ下がりもしません。このとき、匿名で書くことに意味はさほどありません。匿名のメリットは

    匿名の理論価格(下) - マーケットの馬車馬
  • 匿名の理論価格(上) - マーケットの馬車馬

    数年前に実名だの匿名だので「べき論」を書いたことがあるのですが(1,2,3,4)、今回はちょっと違うスタンスで書いてみようと思います。通常この手の話はモラルだのマナーだのとセットで語られることが多いわけですが、ぶっちゃけた話我々はいつもそんな高邁なことを考えながらブログを書いているわけではありません。我々は幅広い意味で自分の『得』になるからブログを書いているのです(別に金銭的な損得だけではなく、自己満足や知的ヨロコビとか、全てを『得』だと定義しておきましょう)。 とりあえず、ネットをより良い言論空間にしていくとか、そういう高尚な話はこのエントリーではすっぱり忘れましょう。高いマインドセットを持つのは結構なことですが、その結果としてあなたのブログが(又は、人生が)炎上したのでは、その焼け跡に立派な言論空間とやらが出来たとしてもあなたは全く報われません。 匿名を許すとコメント欄が荒れる、という

    匿名の理論価格(上) - マーケットの馬車馬
    udy
    udy 2007/07/27
    馬車馬さん久しぶりの更新
  • 大丈夫か韓国(4) 困った隣人との付き合い方 - マーケットの馬車馬

    1ヶ月ほどかけて、つらつらと韓国の置かれた現状を眺めてきたわけだが、最後に第1回の最後に書いた問いかけに戻りたい。この韓国に対して、今後日はどう付き合っていくべきなのだろうか? 過去3回、政治経済の両面で韓国の置かれている状況が危ういこと、日と比べてある意味劣位にあることを説明してきた。では、日はこの優位な状況を生かして韓国に対して十分な影響力を行使できるだろうか?答えはノーだ。とことんまで単純化すると、外交戦略(というより、交渉戦略)には2種類しかない。アメとムチだ。たとえ対等の同盟関係であろうと、「言う事を聞いたらごほうびをあげますよ」か、「言うこと聞かなかったら痛い目に合うぞ」のどちらかが同盟関係維持の根底にある。そして、どちらのアプローチも実行するにはそれなりのコストがかかる。アメをあげるにはこちらの権益を譲らないといけないし、ムチをくれるにしても(例えば)経済制裁は韓国のみ

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  • 大丈夫か韓国(3) 大貧民爆弾が炸裂する日 - マーケットの馬車馬

    筆者が1週間ほど出張でネット環境を離れている間に、韓国はなんだか「挙げた腕の振り下ろし所に困る状況」になってしまっているようで、正直旬を逸した感もあるのだが、今回で一旦韓国シリーズのまとめとしたい。 前回前々回と、韓国が大国に囲まれているせいで生じた悲喜こもごもをお伝えしてきたわけだが、韓国にはもうひとつ頭痛の種がある。言うまでも無く北朝鮮のことだ。ロシア中国両方に国境を接しており、ロシアにとってはウラジオストックを扼する要所、中国にとっては日海への橋頭堡。まぁその辺りは前々回に強調したので措いておくが、なによりもまずいのはこの国の経済状況だ。一人当たりGDPは1000ドル弱。日の30分の1。最貧国に入るか入らないかのぎりぎりに位置する。 冷静に考えると、韓国にとって北朝鮮を吸収する意味はない。肉体労働以外はほとんど生産性の期待できない2000万人に、農業に適さない不毛な大地と(南朝

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  • 日本の「潜在力」と構造改革 - マーケットの馬車馬

    前回、Economist誌の「緩やかだが確実な日の改革によって、ようやく日経済は復活しつつある」という論説を紹介したのだが、ひとつ説明し切れなかったことがある。それは「復活するのはいいとして、どの程度復活できるのか?」という問題だ。相対的には「すっげぇ不景気」から「そこそこ不景気」への移行だって景気回復なわけだし。「日はまた昇る」のは大変結構だが、朝日が昇ってきたかと思ったらそのまま地平線上をずりずり移動し、そのまま西に沈んじゃいました、というのでは日人としては困るのである。 そこでOECDの中期予想を見る(注1)と、「2010年までそこそこの景気を維持できたとしても年率1.3%成長がせいぜい」とおっしゃる。ダメじゃん。流石にこの数字では筆者の将来の給料と人生設計に差し障りが出る。そこで、今日はこの数字をもう少し細かく考えて見ることにしたい。 日の「潜在成長率」 目先1年で日の景

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    udy
    udy 2006/10/12
  • しんぶん伊勢丹化計画 - マーケットの馬車馬

    当は郵貯ネタのフォローアップを書こうと思ったのだが、ちょっとそれほどの時間は取れそうにない(それだけの体力もない)ので、ちょっと軽く与太を飛ばしたい。このネタ自体は筆者が数年前から言い続けているもので、一度酔った勢いで朝日新聞の記者に披露したら大層いやな顔をされたという代物だ。 今までも何度か新聞記事の質についてこのブログでくさしてきたし、新聞記事の質が上がらないメカニズムについても書いてきた(こちらとこちら、それとこちらを参照。今回のエントリーはこれらのエントリーを下敷きにしています)。そこで、今回はどうすれば質が上がるのかということを考えて見たい。 新聞に記者は要らない 前々から思っているのだが、新聞社に記者は当に必要なのだろうか。今までも書いてきたように、新聞記者というのは一部の例外を除けば質的に素人だ。「ニュースの現場」を外から眺め、付け焼刃の知識で肉付けして記事を書く以外に

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    udy
    udy 2006/10/12
    これはいいアイデア
  • 統計には誤差があるんですってば - マーケットの馬車馬

    このブログは最近は隔週刊を目安にしているので、今日はエントリーを書く気はなかったのだが、週末にこんなアツいネタを用意されてしまっては書かないわけにも行かない。これは何かの挑戦ですか朝日新聞社。 要するに、朝日新聞社の社員が小泉首相の靖国参拝についての世論調査の解釈を巡って大激論の末に乱闘騒ぎになって警察が呼ばれた、というしみじみと味わい深いイベントがありました、ということらしい。ただ、筆者はこの乱闘騒ぎそれ自体についてどうこう言うつもりはない。オトコノコたるもの、拳で友情を語り合うのは至極自然な事である。日が誇るクオリティペーパーの社員が40になっても青春の輝きを保ち続けていたという事実に、筆者は日の将来の明るい輝きを見た思いがした。後は来月あたりに、彼らが肩を組んで夕日へ向かって歩み去る姿を築地界隈で見る事が出来るかどうか、それだけが関心事だ。 で、一体彼らはどんな問題にその青春の熱

    統計には誤差があるんですってば - マーケットの馬車馬
  • マーケットの馬車馬: 今週のThe Economist:誰がしんぶん殺したの?

    原題:Leaders: Who killed the newspaper? (August 26th, 2006) Special report: More media, less news (August 26th, 2006) またしても随分間が空いてしまった。実は外交ネタを3ページほど書いていたのだが、しばらく書かずにいるとどうも「勢いで仕上げる」ことが出来なくなる。唸った挙句に没フォルダ行きにしていたら1ヶ月以上が過ぎてしまった。 それでも久々にブログを書く気になるくらいに、今回の記事は出来が良かった。一言で記事をまとめるなら、これから新聞は大変ですね、という、ありふれた結論になっているのだが、細かいデータがちりばめられた丁寧なつくりの記事で、思索のヒントを与えてくれる。The Economistはこの手の記事作りが非常にうまい。 もう少し丁寧にまとめておこう。まず、新聞業界の根

    マーケットの馬車馬: 今週のThe Economist:誰がしんぶん殺したの?
  • 利息制限法を巡るあれこれ - マーケットの馬車馬

    インフレターゲットネタとかヨーロッパのネタとかを積み残しつつ、まるで関係ない話を(手軽に書ける話優先ということで)。 もう数ヶ月前の話になるのだが、ふぉーりん・あとにーの憂他多くのブログで利息制限法が話題に上っていた。要するに、サラ金その他の消費者金融に対して、「法で決められた上限金利を超える金利を要求してはならない」、とした最高裁判決は正しいのかどうか、という辺りから始まった議論であるらしい。議論の経緯や各リンクはこちらにまとめられている。 詳しい話はリンク先に譲るとして、確かに消費者金融の金利というのは高い。少し前までは実質的に40%が金利の上限だった(今は30%前後)。金利30%ということは、3年借りれば元の倍を返済せねばならないわけで、今100万円を用意できない奴が3年以内に200万円を用意できるの?という疑問は当然でてくるだろう。で、きつい借金の取立てが社会問題になってもいる

    利息制限法を巡るあれこれ - マーケットの馬車馬