わたしがこの本に興味を持ったのは、下のブログを読んだからだ。 以下は、国ごとの、再分配前(就労や金融資産によって得られる所得)と再分配後(税金と社会保険料を引き、社会保障給付を足した可処分所得)での子どもの貧困率を示したものである。 (ここに 図3-4 のスキャンした画像が入っている 引用者) これらの国の中で、日本は唯一、再分配後の方が貧困率が高くなっているのだ。 『子どもの貧困』阿部彩|ほたるいかの書きつけ リンク先にとんで、グラフをよく見ていただきたい。 とにかく衝撃的だ。 そして、同じ箇所に衝撃を受けている方がここにも。 な、なんだってー!? あまりのことに、この図3-4が本当か検索してみたところ、以下のグラフを見つけた。 (ここにグラフの画像が入っている 引用者) ....まじである。他国との比較がない代わり、経年変化も載っている。日本はこれまでずっと、政府が子どもから奪ってきた
2009年02月12日03:00 カテゴリ書評/画評/品評Taxpayer まさかここまでひどいとは - 書評 - 子どもの貧困 二児の父として、このことは知っているつもりだった。 子どもの貧困 阿部彩 関連entriesも少なくない。 site:http://blog.livedoor.jp/dankogai/ 子供 - Google 検索 404 Blog Not Found:貧乏な社会で子を産むな 404 Blog Not Found:書評 - 若者を食い物にし続ける社会 なのに、いかに知らなかったかを改めて思い知らされた。 かつて親だった人も、すでに親になった人も、これから親になる人も、必読。 難しい本ではないので、高校生以上の未成年も、読んでおくべき。 本書「子どもの貧困」は、日本の子どもの貧困がいかにひどいかを、情ではなく理で説いた渾身の一冊。 はじめに iv 「子どもの貧困」
(12/24)メサイア (12/23)国会はダンジョン? (12/22)天下強奪~関ヶ原を越えて~ (12/21)祝日廃止論 (12/20)先祖の話 (12/19)熊さんの年次教書 (12/18)レク (12/16)女の魅力あるいは仏心と菩薩行 (12/15)Authentic (12/14)後期高齢者医療制度をどう考えるか 祝日廃止論 by ニート(政治浪人) (12/25) 祝日廃止論 by ケン (12/24) 祝日廃止論 by ニート(政治浪人) (12/22) 国籍法改正に思ふ by ケン (12/17) 国籍法改正に思ふ by まぁま (12/16) インフルエンザ予防注射 by ケン (12/14) インフルエンザ予防注射 by o-tsuka (12/12) インフルエンザ予防注射 by ケン (12/12) 企業の情報公開推進を by ケ
学習院大学准教授の鈴木亘氏の「だまされないための年金・医療・介護入門」という本は、社会保障がもたらしている世代間不公平の実態を明らかにしてくれる。 鈴木氏の研究によれば、年金・医療・介護という社会保障全体の世代間の不公平は非常に大きい。厚生年金と健保組合に加入してきた1940年生まれの世代は、この3つの社会保障によって4850万円の得をしている。これは、彼らが生涯受け取る給付の総額から生涯に支払う保険料の総額を差し引いた金額が4850万円にも上るという意味だ。では、2005年に生まれた子供たちは生涯でどの程度社会保障制度で得をするだろうか。答えは3490万円の損である。つまり、この二つの世代の差は、8340万円にもなるのである。どの世代で、この関係が逆転しているかと言えば、1960年代前半生まれの世代である。つまり、私の世代だ。私よりも若い世代は、日本の社会保障制度で「損」をする。 社会保
二〇〇五年以降、日本では「格差社会」が社会を描写する際のキーワードの一つとなっている。そのきっかけは、小泉政権の規制緩和政策が日本に格差社会をもたらしたのではないか、という批判だった。格差や下流といったテーマの本や論説が数多く出版され、国会でも格差社会に関する論戦が行われた。こうした状況を東京大学の岩井克人教授は、「格差論バブル」と呼んだ。実態以上に格差に関する議論が沸騰していた状況をみごとに言い表している。 『日本の不平等』という学術書を〇五年に出版した私は、その格差論バブルの当事者の一人だろう。私の本の主張は、日本の所得格差拡大の要因は高齢化だ、という一番わかりやすいところだけが広く伝わった。格差拡大そのものを否定する学者だと誤解されることも多い。本の副題が、「格差社会の幻想と未来」であったことも理由だろう。しかし、その副題は、日本が格差社会であることを否定したものではない。九〇年代ま
ソーシャル・キャピタルの話は少しお休み。(少し整理する時間をください。)今日は別の話です。 最近、授業やゼミで格差社会について話題にすることが増えたという先生方は多いのではないでしょうか。「格差は拡大しているの?」「格差は固定化しているの?」「若い人が損している(世代間格差)って本当?」といった問いにシンプルに答えた本として、この本は最適かと思います。 日本の所得格差と社会階層 作者: 樋口美雄,財務省財務総合政策研究所,財務総合政策研究所=出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2003/12メディア: 単行本 クリック: 22回この商品を含むブログ (8件) を見る 「読むヒマがない〜」という人向けに、簡単に内容をまとめておきました。 第1章 所得格差の拡大はあったのか(大竹文雄) 所得格差について『家計調査』『国民生活基礎調査』『所得再分配調査』の3つから分析。世帯人数を調整した「等
彼らは労働規制緩和の受益者なのだ。日本的雇用制度においては若者と女性は犠牲者であって、新自由主義によって開放されたのである。 私が社会に出た90年代前半というのは、ちょうど日本型経営が疑問視され、企業の人事制度改革と労働規制の緩和が行なわれた時代だ。 上司の係長に、「お前のやっている仕事、俺は30歳になるまでやらせてもらえなかった。」「入社して3年間は湾岸の倉庫番をやらされた」等と言った苦労話を聞かされたものだ。 どこの会社にも誰でもできる単純な仕事というのがあるが、かつてはそのような仕事のうち肉体労働は若手男子社員が、事務作業は女性社員が担っていたのだ。民間企業では、大卒の幹部候補生も、修行だと行って入社後数年間は現場で汗をかかせる会社も多かった。 私が新入社員の時は過渡期であったが、今では幹部候補の新入社員は即本社配属で、若いうちからどんどん経営に直結するような仕事をやらせるようになっ
11月19日のブログで、Shimizutakaさんが、コメントで紹介してくれた本を読みました。 人生という名の手紙 作者: ダニエル・ゴットリーブ,児玉清出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/06/20メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (8件) を見るこれです。 原書は、これで私は、購入しました。Letters to Sam: A Grandfather's Lessons on Love, Loss, and the Gifts of Life 作者: Daniel Gottlieb出版社/メーカー: Sterling Pub Co Inc発売日: 2008/03/04メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (4件) を見るところがアマゾンから本が着くなり、香穂が見て 「あっ、これおもしろそう」 と香穂の手中に・・。彼女いわく 「すご
【参照:(正)】 「ひきこもり」への社会学的アプローチ―メディア・当事者・支援活動 作者: 荻野達史,川北稔,工藤宏司,高山龍太郎出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2008/12メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 46回この商品を含むブログ (11件) を見る【出版社の紹介ページ】 2002年に始まり、合宿も開かれつつ続いた研究会の成果とのこと。 短く言及して終わらせるべき本ではないので、できればとにかく入手して、この本と格闘してほしい。 私はいま読み進めている。 今回は、この本全体の趣旨にかかわると思われるところを一部だけ引用してみる(強調はすべて引用者)。 自己言及的なフィールドワーク なぜ(略)筆者は、「ひきこもり」について〈社会現象〉という表現を用いるのか。それは、「ひきこもり」という曖昧な言葉をめぐって、この間に沸き起こったさまざまな議論や支援活動などの諸々の実
で、読んでみたところ、実に面白い。 ワタクシ、結婚できない男はなんとなく想像できますが、「結婚に難がある女」というのはどういう人たちかと、興味深々で読んでみたら・・・「マジですか・・・?」と叫んでしまいました。 さてその結婚難民とは・・・ いつも応援ありがとうございます、人気blogランキングへ 【目次】 第1章 僕たちはやっぱり結婚したい どうして結婚しないの <実例1>図書館で恋愛本を読破する派遣コールセンター男 <実例2>正社員じゃないから、7年付き合った彼女とも結婚は無理 ほか 第2章 結婚してはいけない13の女 「壊れかけの女」にご用心 1家賃より高い靴に散在する「ルブタン女」 2骨と皮だけでもまだ痩せたい「絶食女」 ほか 第3章 ロスジェネ男が結婚しないこれだけの理由 四面楚歌のロスジェネ独身男 <批
★「NANA」をついに読破しました。いやー、めっきりへこんだね! あんなに絶望的な現実を突きつけてくるマンガだとは……。もう年内は立ち直れないほど姉ちゃん打ちひしがれました。ちょっとこれから先はネタバレを含むので、未読の方、先を知りたくない方は読むのを控えて、パッと目を閉じてコマンドQ(マックユーザーの方のみ)してください。 ・ ・ ・ はい、いいですか? ちょっともう、すごいね、これは。こんなマンガだとは全然思ってなかったよ。ってか仲間内(基本的に二つのバンド、プラス素人数名)だけでグルグル恋愛とかセックスとかが巡り巡ってドロドロしてんのって、AV業界内だけのことじゃなかったんだね……。みんなが集まるとこに行ったら元カレとか元カノとか浮気相手とかはけ口とか出来心とか、ホントは純愛なんだけど関係はセフレとかそういうのがザクザクいて心が痛んでトイレに駆け込んで泣いたりとか(誰の話だ)、そうい
まなざしの地獄 作者: 見田宗介出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/11/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 45回この商品を含むブログ (48件) を見る 河出書房新社から出た本が、平積みにされているのを久しぶりに見た気がする。「解説 大澤真幸」*1の効果だろうか。 かねてから、大澤さんが少年犯罪を分析する際に参照しているので、見田さんのこの文章の概要は知っていた。しかし、改めて読み、初出が1973年でありながら、多くの発見があることに驚いた。 「まなざしの地獄」では、1968年から1969年にかけて無差別殺人を犯した19歳の青年N・Nが主な分析対象とされている。N・Nは高度成長期に、地方から東京へと上京した典型的な若者であったはずだ。N・Nらの若者は、「素朴でよく働く田舎の青年」として社会的期待かけられ、集団就職の口が用意される。彼らもまた、
サブカル・ニッポンの新自由主義―既得権批判が若者を追い込む (ちくま新書) 作者: 鈴木謙介出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/10メディア: 新書購入: 11人 クリック: 168回この商品を含むブログ (103件) を見る どちらかというと、「社会学者・鈴木謙介」の著書というより、「Life パーソナリティ Charlie」の著書と言った方がいいのかもしれない。ある程度社会科学的な分析を交えながらも、最終的に彼が目指すのは極めて実存的な問題へのコミットである。彼の著書にはそういう面が多分にあるが、本書はそうした傾向が最初から最後まで通呈している。 本書の概要―既得権批判者が自らを窮地に追い込む理由 本書で一貫して議論されるのは、「既得権批判」という、いまや右も左も大好きなキーワードとなったロジックが、時にその批判する側を更なる窮地へと追い込んでしまう、逆説的な状況である。
中国人の知日家は(来日経験があればなおさらのこと)日本をよく知っている。取っ掛かりであるゲームやアニメだけでなく、日本人の性格や習慣、日本の風景にも精通している。 そんな知日家のほとんど(親日家の場合でも)が、口をそろえて言うのは、「日本のニュースは中国の悪い面ばかりを報道する」「それは日中友好によくない」ということだ。これは具体的にどういうことだろう? ちょっと漠然としているので、もうちょっと考えてみよう。……というか、筆者自身も中国人と何度も散々討論した末、それなりにこの意味を分解できたのだが。 中国のニュースは他国の悪口を言わない!? 筆者とガチンコ討論した、中国人はみな「中国のテレビのニュースでは他国についての悪いことを言わない」という。中国のテレビはNHK BSでもときどき放送されている国営放送CCTVをはじめ、各地域の省営放送、市営放送からなり、民営のテレビ局はない。 日本人か
2008年04月27日00:41 若者論を疑うことは人生の目標となりえるか? 『「ニート」って言うな!』にも執筆されてる後藤和智氏が『若者論を疑え!』(宝島社新書)という初の単独著作本を出されまして、『戦前の少年犯罪』のこともその中で取り上げていただいて、おまけに一冊送ってきていただいたので宣伝しておきます。 後藤氏がこういう本を出すと聞いて、この人のやり方で肝心のそのおかしな若者論を喜んでいる年寄り読者に届くのかいなと正直疑問を持っていたのですが、読んでみるとこれは勘違いした年寄りを説き伏せて改心させる本ではなくて、そういうおかしな若者論に対抗しようとする若者に向けたものなんですな。 少年犯罪が増えてるだとかゲーム脳だとかニート叩きだとかの間違った言説を正す科学的データを提示し、闘う若者へ武器を提供する「武器屋」であると、後藤氏は自分を規定しています。 勘違いした年寄りを成敗して間違った
アキバ通り魔事件をどう読むか!? (洋泉社MOOK) 作者: 洋泉社ムック編集部出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2008/07/29メディア: ムック購入: 6人 クリック: 151回この商品を含むブログ (39件) を見る 「分かりやすさ」に振り回される人びと いわゆるこうした「事件本(?)」は、洋泉社のではないものの、宮崎勤・酒鬼薔薇といった、今回の事件と並べられるであろうものはそれぞれ読んだ。そして今回のこの本は、レーベルのせいなのかもしれないが、前二者と比べて圧倒的に面白くない。それはこれまで散々指摘されたこの事件の「分かりやすさ」のせいだろう。 現に本書に記事を寄せる論者27人の議論は、事件を既存の文脈(事件直前の社会情勢、論者の持論)にストレートに流し込むもの、またそのように事件を安易に「物語」に回収することの危うさを指摘するもの、この二つに大別できる。そしてこの二項は事件
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く