2008年に行われたタナー講義をもとにした、人間の協力傾向をめぐる進化心理学についての本。前半はトマセロの講義、後半はその講義のディスカッションに参加していた他の研究者からのコメント。トマセロの研究がどのようなものかは、一番さいごのスペルキからのコメントがよくまとまっていて、分かりやすかった。 トマセロは、マックス・プランク進化人類学研究所*1で、幼児とかチンパンジーとかでの実験を通して、進化心理学的な研究をしているみたい。 最近、協力がどうして進化したのかという関する本がいくつか出ていて、なんか流行ってんのかなーという感じがしたので、読んでみた。 以前読んだ、スティーヴン・ミズン『歌うネアンデルタール』 - logical cypher scape2でも、音楽の起源として、ホミニドの協力行動との関わりが重視されていた。 時々、グライスとかネーゲルとかサールとかの名前も出てきて、この分野で
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