ふとしたことから気象庁の食堂が使えることを知り、試してみることにした。 気象庁に入るとまず受付で入館の手続きをしなければいけないのだが、当然とくに用事があるわけではないのでまごつく。 カサカサのユニクロのウルトラフリースダウンを着た男、どう考えても気象庁に用事がないので心なしか受付の人の目も不審者を見るようである。 「ご用件はなんですか」 と低音の効いた声で受付の男は僕に話しかけてきた。 用件、用件って言われても……なんだ? 暇つぶしで官公庁に来る人間などいない。 僕は入館記録用紙を見てほんの一瞬戸惑ってしまった。 「納品ですか?」 違う、僕は仕入れ業者ではない。 「あの、あの……食事したいってだけで、入れるんですか」 「いいよ」 いいのかよ。 そりゃいいんだろうが緊張したぶん損したぜ。 そして入館記録に記入していくのだが、このとき所属団体or会社を書く欄があり、「大して用もないのに官公庁
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