血圧を下げるだけでなく、脳卒中や狭心症の予防にも効果があると宣伝され、“夢の降圧剤”とも言われた、高血圧の治療薬の信頼が揺らいでいます。薬の効果を裏付けた、臨床研究のデータが事実と違うように操作されていたことがわかったからです。この薬を巡って何が起きているのか。そしてその背景には何があるのか。今夜はこうした問題を考えます。 それは、どんな研究だったのでしょう?新たに薬を開発して承認を得るために行われる「治験」ではありません。治験は法律に基づき、薬の安全性や有効性が厳しく審査され、ディオバンも、降圧剤として治験をクリアしています。今回、問題になっているのは、薬の承認後に実際に患者の治療に使って新たな効果などを調べる、「臨床研究」と呼ばれる研究です。こちらには法規制はなく、大学や医療機関で数多く行われています。 東京慈恵会医科大学と京都府立医科大学の臨床研究では、ディオバンが、別の薬と比べ