<< 前の記事 | トップページ | 次の記事 >> 2011年03月08日 (火)視点・論点 「"正義"を考える―裏返しの終末論」 社会学者 大澤真幸 人は誰しも正しく行為したいと思っております。しかし、正しい行為、正義にかなったルールを決定することは困難なことです。 昨年、巧みな講義で話題になった、アメリカの哲学者マイケル・サンデルは、コミュニタリアン(共同体主義)という立場にくみしています。 サンデルは、コミュニタリアンという立場を支持します。コミュニタリアンは、自分が深い愛着をもって参加している共同体の中で伝統的につちかわれてきた「善」の観念を重視し、人は、その共同体に対して優先的な責任をもつ、という考えです。たとえば、日本人という共同体に深くかかわっている人は、日本の伝統的な道徳や国柄や国益を優先的に考えてよく、日本人としての責任が、人類としての責任よりも大事だと考えるべきだ、