突如として起こる、システムを崩壊させる極端な出来事。著者はこれを「Xイベント」と呼ぶ。そして世界が複雑化すればするほど、予測不能なXイベントは起こりやすくなる。すなわち、現在、人類はXイベントに対して極めて脆弱な状態にあるというのだ。 ハリケーン・カトリーナの被害、9.11テロ、サブプライム住宅ローン危機、2003年の東海岸大停電などが、著者が挙げるXイベントの例である。現代は、「ひとつのシステムが別のシステムの上に築かれ、そのシステムはまた別のシステムの上に築かれていて、あらゆるものが、他のあらゆるものにつながっている」状態にある。電力、水、食料、通信、輸送、医療、防衛、金融までもが密接につながり、そのどこかで、Xイベントが起これば、影響は他のシステムを深刻な事態に巻き込むことになり、下手をすると、すべてのシステム、すなわち人間の文明自体の崩壊にまで至る可能性があるという。 そして、こう