奈良時代の都の中心だった奈良市の平城宮跡で、聖武天皇の娘、孝謙天皇の宮殿とみられる大規模な建物の跡が見つかりました。専門家は「天皇の宮殿の実態をうかがう貴重な史料だ」と話しています。 建物の跡が見つかったのは、奈良時代の都の中心だった平城宮跡の「東院」と呼ばれる地区です。 平安時代の歴史書「続日本紀」の記述などから、天皇や皇太子の宮殿があったとされている場所で、奈良文化財研究所が発掘調査したところ、東西27メートル、南北12メートルの範囲に50本の柱が整然と並んだ建物跡が見つかりました。 建物は高床式の床張りの構造で、屋根にはひわだなどがふかれていたとみられ、発掘調査で見つかった瓦から、奈良時代の西暦749年から770年の間に建てられたものとみられるということです。 規模は平城宮跡内のほかの場所で、これまでに確認されている天皇の住まいに匹敵する大きさです。 奈良時代の歴史に詳しい複数の専門