宝塚歌劇団の宙組に所属の俳優女性=当時(25)=が急死してから、9月末で1年を迎える。過重労働やパワハラが明らかとなり、歌劇団は不合理な慣習の見直しや組織風土改革を迫られている。歌劇団を運営する阪急電鉄も西宮労働基準監督署から是正勧告を受けた。しかし、個々の団員から声が一切聞こえないまま進められる改革は効果が見えづらく、その実効性が問われている。 女性は昨年9月30日、宝塚市内のマンションで死亡しているのが発見された。遺族は過重労働や、上級生・スタッフによるパワハラが原因だと訴えたが、歌劇団は当初パワハラを否定。遺族が女性のライン記録など詳細な証拠を示し、今年3月末になって歌劇団はようやくパワハラを認め、遺族に謝罪、合意書を交わした。 「伝統という言葉で現実に目を背けることなく、新しい歌劇団に生まれ変わったと認めていただけるよう全力で改革に取り組む」。3月末、遺族と合意直後に開かれた会見で