今や奴隷制度を合法としている国はないが、人身売買、強制労働などの「現代の奴隷制度」は、途上国を中心に世界各地に蔓延しているのが実情だ。このような違法な搾取を止めるのに必要なのは、消費者の意識と経済体制の改革だと海外の識者が訴えている。 ◆過去のものではない奴隷制 オーストラリアの富豪、アンドリュー・フォレスト氏が設立したウォーク・フリー財団の調査による『Global Slavery Index』によれば、世界167ヶ国で4580万人が奴隷状態で暮らしているという。シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH)は、「現代の奴隷制度」とは脅迫、暴力、威圧、だましなどのため、人が搾取され、その環境から逃れることができない状態を指すとし、隠れた犯罪だと説明している。人身売買、強制的婚姻、強制労働、借金による束縛がその例だ。 アトランティック誌によれば、奴隷制度はモーリタニアが1981年に廃止したことで