シェンゲン協定崩壊か 後退する欧州合衆国の夢 右派ポピュリスト政党が勢いを増す中、メルケル独首相の孤立は深まっている 熊谷徹 在独ジャーナリスト 風前の灯火 シェンゲン協定 欧州連合(EU)の基本理念を体現する制度が、難民急増によって崩壊の危機にさらされている。EU域内での移動の自由を保障していたシェンゲン協定が、風前の灯火となっているのだ。 ドイツやフランスなど、欧州大陸に位置するEUの主要国は、1990年に批准したシェンゲン協定に基づき、1995年以降、人や物の移動を促進するために、国境検査を廃止した。 去年の夏までは、この協定に加盟する26カ国の間で、陸路、空路によって他の国に入る時に、パスポートや荷物の検査が全く行われなかった。たとえば2015年以前は、ドイツからオーストリア、イタリア、フランスなどへ車で旅行する時には、国境の検問所がなくなっていたので、どこから国が変わるのかわから
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く