不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 1640年に開設されたパリの国立印刷所が政府の決定により縮小、移転が決まった時期。 港千尋さんは、そのことに対して本書『書物の変―グーグルベルグの時代』のなかで、次のように書いている。 しかしそれがEUの現実だということを、活字造りや組版の職人たちと毎日付き合いながら、わたしは知った。国の歴史を印刷してきた機関が犠牲にされるように、EUは、歴史的な価値を犠牲にしているのではないかと彼らは見ているのだ。おそらく見えないところで進行している消滅は多くの分野で進行中だろう。 歴史は書物がつくる。 書かれない歴史はない。歴史は記録されてはじめて歴史という価値をなす。書物というメディアはまさに歴史にとって不可欠なメディアである。 パリの国立印刷所というのは、グーテンベルグの時代から活