2009年、藤村匠氏(32歳)はある特異なシミュレーションソフトを開発した。 何万パターンものシミュレーション条件を絶妙に、臨機応変に変更でき、膨大に蓄積された株価データから自動で分析、条件設定から結果判定までシームレスに実現する。それまで技術者が手作りのシミュレーション方法を使って一つ一つ分析し、何日もかかって結果を得ていたものが、すべて自動でかつ数時間で行えるようになった。 藤村氏はわずか2カ月余りでシミュレーションソフトの基本部分を開発。その後10カ月程度かけておよそ18億レコード(4万パターン)にも及ぶ膨大な株価のデータ分析に取り組んだ末、それまで世界中のどの研究機関でも実現しえなかった『市場転換点分析』ソフトを完成、リリースすることに成功した。 シミュレーションというと、プログラムが複雑で難しそうなイメージがあるが、意外にも一般的に使われる表計算ソフト「エクセル」を使って完成させ