四国電力は8日、定期検査中の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、10日に予定していた再稼働を断念すると正式に発表した。東日本大震災後、東京電力に対して実施してきた10万キロワットの電力融通は中止する。 四電は「現段階で地域の理解をいただける状況ではないと判断し、運転再開を見送ることとした」と説明。今後については「安全対策などについて最大限努力し、一日でも早く運転を再開できるよう最善を尽くしたい」としている。 4月末から検査で停止している3号機の発電能力は89万キロワットで、四電の供給力(666万キロワット)のうち約13%に当たる。今夏の最大需要は570万キロワットと見込んでおり、電力の余力を示す予備率は1・2%まで落ち込む。しかし四電は、数値目標を伴った節電要請は買電などによって回避できるとしている。【浜名晋一】 ◇愛媛知事、国に文書を要求 一方、原発再稼働を巡る政府内の混乱について、