最終回:「祈りから願いへ」 この連載を通じて僕は一貫して「終わりがあらかじめ組み込まれた日常」の問題を扱ってきました。その「終わり」とは、かつて宮台真司が「終わりなき日常を生きろ」という形で否定したある種のカタストロフであり、具体的には「運命の人との出会い」によって辿り着く「トゥルーエンド」のことを指すのでした。それはストリート系カルチャーにもオタク系カルチャーにも共通するモチーフとして、00年代を通じて存在感を持っていたのです。 そして、その「終わりの過剰」は、常に「次の始まり」に開かれることで、終わりが繰り返される世界へと私たちを誘います。何度も懲りることなく次の恋へと突き進むケータイ小説の主人公たちや、すべてのヒロインとのエンディングを迎えることで、真のエンディングへと到達できるようになるという長大な構成をとるKey系の恋愛アドベンチャーなどは、その現れのひとつと見ることができそうで
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