動物がお肉になる瞬間を見たい。ここ数年ずっとそう思って暮らしているけれど、いまだに実現はしていない。 お肉を食べるのは好きだ。赤い炭の上で焼く牛の肉も、生姜のたれを絡めた豚の肉も、串に刺して塩と胡椒を振った鶏の肉も、生のまま甘い醤油をつける馬の肉も、香辛料をたっぷりまぶした羊の肉だって、全部大好きだ。もりもり食べてしまう。動物の肉にはどこかこちらの戦闘意欲を掻き立てるようなところがある。あの精神の高揚は、ほかの何にも代えがたいものだ。 お肉を食べる。もうすでに命を終えさせられていて、皮を剥がれ、血を抜かれ、切り分けられ、清潔なパックに詰められたお肉を食べる。私たちは、自分の口に入るお肉がお肉になる瞬間を見ない。だから実感が曖昧なのだろうか。「これはこんな動物のお肉です」と牛や豚の写真を見せられても、正直なところいまいちピンとこない。 わかっている。わかってはいるけれど、よくわからない。彼ら