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ブックマーク / caughtacold.hatenablog.com (9)

  • 『最近のポップスはサビでいかに何もしないかですよね』(©狭間美帆)、あるいはEDMに侵食されるポップスについて - ただの風邪。

    標題にかかげた発言は、菊地成孔の運営するブロマガ『ビュロー菊地チャンネル』や、あるいは先日(10月28日)のTBSラジオ『粋な夜電波』で菊地がジャズ・ミュージシャンの狭間美帆による言葉として紹介したものだ。狭間人もゲストとして登場したその回の『夜電波』では、これはある種由々しき事態であると、作曲家や編曲家がいっぱぐれる! と冗談めかして語られていたけれど、まあ言ってみればこれもポップスの構造にまた新たなヴァリアントが加わったに過ぎないとも言える。だってロックンロールとかヒップホップだってそうだったじゃんね。しかしその驚きと危惧にはちょっと共感する。こんなのが流行るんだから世の中わかんねぇよな~ 最高だけどよ~。そこで、こうしたジャンルの熱心なリスナーとは言い難いながらも、ちょっとその状況についてまとめて、考察してみたい。 「サビで何もしない」ポップス この「サビで何もしない」ポップスの

    『最近のポップスはサビでいかに何もしないかですよね』(©狭間美帆)、あるいはEDMに侵食されるポップスについて - ただの風邪。
  • ローファイ・ヒップホップはメインストリームに浮上するのか?――joji “In Tongues” - ただの風邪。

    インターネット発のミーム・ミュージックといえばVaporwaveを挙げる人は多いだろうと思う。が、Vaporwaveが一種のカルト的なステータスをほしいままにしている一方で、地味に勢力を伸ばしてきたミーム・ミュージックがある。ローファイ・ヒップホップだ。ローファイ・ヒップホップ、と言うとざらついたラフな音像のハードコアなヒップホップを想像してしまう人もいるかもしれないが、インターネットでローファイ・ヒップホップといえば、流麗でジャジーなサンプルをヨレたビートに乗せたインスタントなビートのことを指す。インスタントな、というのは決して悪い意味ではなくて、Vaporwaveの美学と通底する反技巧的な「何気なさ」を持った感じ、と言葉を補ったほうがいいかもしれない。 ローファイ・ヒップホップは、この4,5年くらい、SoundCloudやYouTubeを通じて広く流布し、近年ではSpotifyやApp

    ローファイ・ヒップホップはメインストリームに浮上するのか?――joji “In Tongues” - ただの風邪。
  • 声優界のディーン・フジオカ、武内駿輔 a.k.a. Jack Westwood - ただの風邪。

    俳優業とミュージシャン業を股にかけた活躍に加え、どう見てもイケメンだしやってることもちゃんとかっこいいのに、なんだか自然と半笑いになってしまう妙なキャラクターが印象的なディーン・フジオカ。フューチャーベースやWaveといったポスト・EDM的なサウンドを堂々とお茶の間に持ち込む大胆な活動には音楽界からの注目もアツい。 フジオカが順調にキャリアを積んでいくなか、さきごろ、声優界のディーン・フジオカとでも言うべき逸材がいよいよ動き出した。弱冠20歳の新人男性声優、武内駿輔である。 武内駿輔は1997年生まれの20歳。まだ高校生だった2015年にアニメ『アイドルマスターシンデレラガールズ』のプロデューサー役に抜擢され一躍注目を浴び、翌年には声優アワードで新人男優賞を受賞。メディアに露出した際には、若さを感じさせないルックスと物腰、そして低音ボイスで視聴者をざわつかせた。 彼はラジオや映像コンテンツ

    声優界のディーン・フジオカ、武内駿輔 a.k.a. Jack Westwood - ただの風邪。
    weissbier
    weissbier 2018/11/25
  • 「MVのショートver.」という奇習を現代まで伝える極東の島国にYouTube Musicという黒船が - ただの風邪。

    av.watch.impress.co.jp 今朝はYouTubeがいよいよ日でも開始した有料プログラム、YouTube PremiumおよびYouTube Musicの話題でもちきり。個人的にはまだ導入は未定だけれども、このサービスが格化することでAdblock系のアドオンが使えなくなることが予想されるので、いつか必然的に導入せざるをえなくなるかなぁ。 それよりも気になるのが、YouTubeの有料プログラム開始に伴い、日国内のリリースによくある「ミュージックビデオのショートバージョン」がどのように扱われるかだ。実際Twitterを見てみるとミュージシャンによってはMVの公開を停止している場合もあるようだ。 sumikaのYouTube公式チャンネルでMVが全て削除されているのですが、これは今日から日でスタートしたYouTube Premiumにオフライン再生(一時的保存)の機能が

    「MVのショートver.」という奇習を現代まで伝える極東の島国にYouTube Musicという黒船が - ただの風邪。
    weissbier
    weissbier 2018/11/25
  • ソングとサウンドの往還についてちょっと考える - ただの風邪。

    radiko.jp アトロクのポップスサウンドの作り方特集by冨田恵一(冨田ラボ)。冨田恵一の落ち着いたわかりやすい喋りと自分のワークフローをある程度一般化して明快に認識している感じ、かつそれをプレゼンする巧みさにやっぱビビる。「(ワンループものが今では当たり前だけど)僕はとにかくコードを展開させる男だったので……」に笑う。結局ワンループでどんな展開を生み出せるかみたいなことに手練れたちが興味を持ってきているのが面白い。ただ『ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法』はコード進行の話をほぼしない(たしか一箇所だけ我慢できずにしている)でアルバム一枚論じきるというで、和声ではない方法論を言語化しようという問題意識はあのときからあったんだと思う。 ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法 作者: 冨田恵一出版社/メーカー: DU BOOKS発売日: 2014/07/18メディア: 単行この商品を含

    ソングとサウンドの往還についてちょっと考える - ただの風邪。
  • J-POPにおける「譜割り」の問題、補遺+寄稿まとめ - ただの風邪。

    まず、なんぼか寄稿が溜まっていたので報告。『アニエラフェスタ』などに見る、脱・都市化したアニメシーン - コラム : CINRA.NETは長野県のアニソンフェス「アニエラフェスタ」のPR記事ですが、アニメ文化の地方への拡散という話をしました。ぬるヲタなので恐縮ですが……。韓国大衆歌謡からBTSまで……K-POPの誕生と発展にJ-POPが与えた影響 - Real Sound|リアルサウンドは金成玟『K-POP 新感覚のメディア』(岩波新書)の書評音楽性に関する考察にはちょっと僕の持論も加えています。このはコンパクトな新書ながら、K-POPをめぐって論じうる主要なテーマはざっとカバーしていて、そのうえ「ポップカルチャー」というものの質に迫る議論を展開していて胸熱。フェミニズムやキャンドルデモとK-POPの関係に言及されていたり、「音楽政治」を論じるにあたっても参考になるかと。戦後の日韓

  • ヒプノシスマイクガチ勢に贈る、「ヒップホップの女」の今(+7月23日追記) - ただの風邪。

    hypnosismic.com 2017年のスタート以来徐々に注目を集め、この夏いよいよ格的に「覇権コンテンツ」となりつつあるヒプノシスマイクですが、みなさんエンジョイしてますか? ヒップホップと女性向けコンテンツの融合という時流を捉えたコンセプトに加え、話題性抜群のプロデューサー・ラッパーといった制作陣、そして多彩なライムやフロウをのりこなす声優陣の芸達者ぶり、どれをとっても聴きどころ・楽しみどころ満載です。個人的には、ラップバトルという設定とヒップホップ要素を、おたくコンテンツと(若干力技で)融合させようという気概に、勇気と歪さを感じて惹きつけられます。 一方で、徹底的な女尊男卑のディストピアを描く世界設定と、それとは裏腹にヒップホップのホモソーシャル性・マッチョイズムをひきずった登場人物の言動に、ジェンダー論の観点から疑問を呈する声が聞かれます。自分の見解としては、まだ登場人物も世

    ヒプノシスマイクガチ勢に贈る、「ヒップホップの女」の今(+7月23日追記) - ただの風邪。
  • 制度の忘却、権力の隠蔽――HINOMARU批判と五木田智央展評に対するバックラッシュ - ただの風邪。

    RADWIMPSがリリースしたニューシングル カタルシスト のカップリング曲"HINOMARU"が炎上した。 www.huffingtonpost.jp gendai.ismedia.jp その顛末や具体的な内容は上の記事等を参照していただくとして、ここで詳しくは記さないが、作詞者の野田洋次郎が「謝罪」してなおその火種は尽きることなく、批判派・擁護派ともに議論がくすぶったままにある。私見では、"HINOMARU"をめぐる議論には、あたかも同曲がワールドカップの応援歌であるかのような前提で論じているものがあったりと、事実関係の認識ができていないものが多く、Twitterでの炎上の悪い面が丸出しになっている印象がある(ワールドカップの応援歌になっているのは、"HINOMARU"ではなくて表題曲の"カタルシスト"だ)。 さて他方、東京オペラシティアートギャラリーで開催されている五木田智央展に対す

    制度の忘却、権力の隠蔽――HINOMARU批判と五木田智央展評に対するバックラッシュ - ただの風邪。
    weissbier
    weissbier 2018/06/13
  • トラップ歌謡としてのモー娘。'18 "A gonna"に関する雑感 - ただの風邪。

    モーニング娘。'18の最新曲"A gonna"が大々的にトラップを取り入れた一曲となっていて興味深い。 だいたいBPMが80くらいで、ポルタメントの効いた攻撃的なシンセリフが印象的な、アトランタ流というよりはEDM的なトラップだ。トラップを取り入れたポップスというのはもう世の中にありふれていて、テイラー・スウィフトからTWICEまで例は枚挙にいとまがないわけだけれど、日ではなかなか「これ!」というものが思い当たらなかった(いや、若い女性に支持を集めるSSWなんかで結構あった気もするけど)。J-POPは、ロック、R&B、ディスコ、EDM、フューチャーベース、ポスト・ロック(エモ、マス・ロック)などなどのジャンルを消化してきたけれども、トラップはまだではないだろうか。そこに来て、EDM歌謡路線を経たモー娘。がど直球のトラップをやっているというのは結構面白い。 (全体はそうでもないが一瞬ガチの

    トラップ歌謡としてのモー娘。'18 "A gonna"に関する雑感 - ただの風邪。
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