フライボール革命については当コラムで今年、一度取り上げた。 端的に言えば、フライボール革命は「ホームランの民主化」である。これまで、ホームランは「スラッガー」、「長距離打者」と言われる選手だけがもっぱら量産していた。 他の打者は日本で言うところの「ヒットの延長がホームラン」で、打数が増えればその分だけ増えるという程度のものだった。 しかしフライボール革命によって、一定のバットスピード以上で、ある角度をつけてボールを打ち上げると、安打、長打が急増することが分かった。具体的に記すと、打球速度が158km/hで26度から30度の角度で打球を打ち上げると打率5割、長打率は1.500以上になる。 この打球速度と角度の組み合わせを「バレル」という。この「バレル」を意識することで、極端に言えば多少打撃に自信のあるプロ野球選手なら、誰でもホームランを打つことができるようになったのだ。 過去10年のメジャー