【シンガポール=宮野弘之】シンガポールで開かれているアジア安全保障会議では4日、ゲーツ米国防長官が、米中軍事交流を中断した中国軍の対応を非難。これに対し、中国人民解放軍の馬暁天副参謀総長が激しく反論するなど、「台湾」を軸に米中両国がせめぎ合う形となった。一方、中国は北朝鮮による韓国哨戒艦撃沈事件には一切言及せず、最近の米中両国の関係悪化が、北朝鮮問題の解決に陰を落としていることを浮き彫りにした。 会議で講演したゲーツ長官は、米国による台湾への武器売却を理由に、中国が米中間の軍事交流を中断したことを批判。台湾への武器売却は何十年も続いているが、米国は長年、台湾独立を支持しないと明言するなど対台湾政策は変わっておらず、中国側が受け入れを拒否する理由にならないと言明した。一方で中国が台湾に焦点を当てて軍備を拡大しており、地域の安定と平和を維持するためには台湾への武器売却は必要として、中国側の対応