1箱1000円にする大幅増税が浮上し、注目されていた「たばこ税」に関し、自民党幹部は27日、2009年度税制改正で1本3円程度増税する案を明らかにした。実現すれば、1箱60円程度の増税になる。この日は、日本たばこ産業(JT)の木村宏社長が自民党本部に増税反対の陳情に訪れたが、小幅ながら増税される可能性が強まってきた。 たばこ税は、増減税のつじつま合わせに使われるケースが多いが、1箱1000円まで引き上げる増税は、消費を大きく左右し、逆に税収予測が困難になるため、慎重論が強い。 JTの木村社長は256万人の署名を持って、自民党の保利耕輔政調会長に増税反対を訴えた。木村社長は記者団に、「税の公平性に反している。増税はたばこの消費減を加速させ、税収増も果たせない」と不満をぶちまけた。 ただ、「少なくとも600円にする」と主張してきた超党派議連の動きは、衆院解散をめぐる与野党対立で鈍くなっている。