サンフランシスコ講和条約の締結などでアジアの平和に貢献したとして、1965年に当時の佐藤栄作首相らが推薦人となり、吉田茂元首相をノーベル平和賞候補にする推薦状がつくられていたことが13日、明らかになった。外交史料館(東京)が保管する文書の中から推薦状が見つかった。 ノーベル賞の歴史に詳しい高崎経済大の吉武信彦教授によると、当時、政府内で吉田を平和賞に推す動きがあったことは関係者の証言しかなく、史料が見つかったのは初めて。推薦状が実際にノーベル賞委員会に送付されたかは不明だが、政府ぐるみの受賞工作が行われていたことを裏付ける貴重な史料といえそうだ。