急激に成長してきたFX(外国為替証拠金取引)市場が大きな転換点にさしかかっている。 2005年初頭からの円安トレンドを受け、日本と海外との金利差やレバレッジ効果によって簡単にリターンを得られる投資手段として、FXは急速に広がってきた。日本の主婦トレーダーが「ミセス・ワタナベ」「キモノ・トレーダー」などとグローバル市場で話題になったのも、ほんの1年前のことだ。 しかし昨年8月に起きた、米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題をきっかけに、為替市場の様相は一変した。今年3月、12年ぶりに1ドル=100円台を突破する急激な円高によって多額の為替差損を被った個人投資家も少なくない。「円売り・外貨買い」のポジションさえ保有していれば誰でも簡単に儲けられた時代は過去のものとなったのだ。 だがFXという投資手法が陳腐化したわけではない。1ドルの売買にかかる手数料が片道2銭といった取引