「ニッポンの情報がまるごと抜かれている」 コロナ禍で、ネット通販や電子決済の利用が広がる中、身に覚えのない請求をされる被害が急増している。 取材を進めると、日本人の個人情報が売買され、不正決済などのサイバー犯罪に悪用される「闇市場=ブラックマーケット」の存在が浮かび上がってきた。 その「闇市場」に“潜入”取材。 誰が、どんな手口で情報を盗み出し、悪用しているのか。 サイバー犯罪が、すそ野を広げ、私たちの身近に迫っている実態を追跡する。 去年12月、群馬県で会社を経営する田中健さん(仮名)のスマートフォンに通知が届いた。 「購入ありがとうございます。発送しましたら連絡します」 フリマ大手・メルカリのアプリの通知だった。 購入履歴を見てみると、およそ5万円のゲーム機などを購入していたことになっていた。 まったく身に覚えがない。