国内の”知の最前線”から、変革の先の起こり得る未来を伝えるアスキーエキスパート。ニコンの坪井聡一郎氏による技術とイノベーションについてのコラムをお届けします。 2017年を迎え、この1年のテクノロジー変化を予想する記事がたくさん出ている。米国ではCES(Consumer Electronics Show)も開催され、近未来に出現するコンセプトモデルが数多く提示される中で、これらに目を通された読者の皆さんも多いことだろう。しかしイノベーションは、既存の産業とは異なる業種から参入する企業によってdisruptされることが少なくない。今回は小売業が製造業をdisruptする可能性について、「小売りのプライベートブランド(PB)」を軸に考える。 わが国でPBが登場して早や50余年になり、かつては「安かろう、悪かろう」というイメージだったものの、近年はそうした印象も薄まり、次第に主流になり始めている