6~8月には一時1ドル124円までいったドル円相場は、このところ120円台で動かない。市場は米国の利上げの動き次第で次の変化を予想する。最近、『なぜ専門家の為替予想は外れるのか』(ぱる出版)を書いた元JPモルガン・チェース銀行で為替資金本部副本部長の富田公彦氏は「為替予想を信じてはいけない」と言う。その理由と、個人投資家はどうすべきかという対策を聞いた。 (聞き手は田村 賢司) 『なぜ専門家の為替予想は外れるのか』とは刺激的なタイトルです。この本を出した狙いはなんですか。 富田:証券会社や銀行には為替ストラテジスト、マーケットエコノミストといった専門家がいる。でも彼らが行う為替予想には、実は理論的な根拠がないのが実情だ。 例えば、何年か前から金利差を為替予想に使う様になった。ドル円でいえば、「米国が金利を上げる」「日本が金融緩和を行う」といったことになれば、両国の金利差が拡がり、ドル高円安