赤木俊夫さんのお気に入りだったマフラーを身につけ、判決後に記者の質問に答える妻雅子さん=大阪市北区で2022年11月25日午後3時47分、川平愛撮影 財務省ぐるみの決裁文書改ざん問題の発覚から約4年。25日の大阪地裁判決は改ざんを主導した佐川宣寿(のぶひさ)・元理財局長(65)の賠償責任を認めず、改ざんの経緯も財務省の調査報告書をなぞりながら認定しただけだった。「裁判所も夫の死の真相に向き合ってくれなかった」。自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)の妻雅子さん(51)はこう悔しがり、控訴する意向を明らかにした。 午後2時、大阪地裁の大法廷。雅子さんは中尾彰裁判長をじっと見つめ、約7分間の判決理由の朗読に耳を傾けた。改ざんの苦悩をつづった夫の手記を忍ばせて臨んだが、被告席には佐川氏のみならず、佐川氏の代理人弁護士の姿もなかった。