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ブックマーク / reki.hatenablog.com (423)

  • ペルシャ湾岸諸国の領土問題 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    意外と根深くややこしい湾岸諸国の領土問題 北方領土や竹島、尖閣諸島の問題はいつでもホットイシューであります。これまで多くの努力がなされるも未だに解決の見通しは全く見えていません。領土問題があったほうが両国の為政者にとっていろいろ都合がいいのではなかろうかとすら思います。 さて、このブログではたびたび世界の領土問題について取り上げています。他国の事例に、領土紛争解決のスタディがあるに違いないと思うからなのですが、今回はペルシャ湾岸諸国の領土問題を取り上げてみたいと思います。 湾岸諸国になぜ領土問題が多いのか ペルシャ湾岸には領土問題が多いとされています。その理由はいくつかあります。 まず、伝統的にアラブ人の支配対象は土地ではなく人にあり、離れた地域に住んでいる部族でも自分に税を収めている場合は勢力範囲とみなしました。また、アラブ遊牧部族は一箇所にとどまらずにあちこち移動するため、土地を基礎に

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    yaneshin 2019/08/23
  • 深夜にじっくり見たい、世界史の「海戦動画」14本 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    有名な海戦の動画を見ながら酒を飲もう 以前「深夜にじっくり見たい、世界史の「戦闘経過」の動画20」という記事を書いて、この時は主に陸上の会戦の経過を説明した動画を紹介しました。 一方で、日人には海戦ってすごく人気があるんですよね。 日清戦争、日露戦争、太平洋戦争でも大規模な海戦が多くあって、しかも日清・日露は結構痛快な勝ち方をしてるので、関心が高い人が多いのかもしれません。 ということで今回はYouTubeで世界史の海戦動画を集めてみました。ぜひ、深夜に酒を飲みながらじっくりとご覧ください。 1. デルタの戦い 紀元前1178年(エジプト新王国 vs 海の民) www.youtube.com 記録が残る世界初の船同士の戦い デルタの戦いは、東地中海を荒しまわる海の民が、ラムセス3世のエジプトの町を襲おうとしたところを、迎え撃ったエジプト海軍と陸上攻撃部隊によって倒された戦いです。これは

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    yaneshin 2019/08/07
  • 時代を先取りした偉大すぎる女性科学者列伝 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    時代に先んじた女性科学者たちの生き様と研究 現代の世界の科学者には女性は少なくありませんが、昔から多くの女性が活躍してきました。ラジウムを発見したキュリー夫人、世界初のプログラマー、エイダ・ラブレスなどが有名ですが、もっとたくさんの女性科学者がいます。 科学者列伝第2回目の今回は、女性科学者のピックアップです。 1. 女預言者マリア 1~3世紀 錬金術の祖と言われる人物 女預言者マリア(Marie the Jewess)は卑金属を金に変える錬金術を確立した人物であると言われています。錬金術とは、鉛や水銀といった卑金属と硫黄などの物質を、溶かしたり煮たり焼いたりして黄金に変える技術のことです。 彼女について残された記録は多くありませんが、3世紀にエジプトに生きた錬金術師パノモリスのゾシモスという人物が、マリアという人物が1世紀前後にエジプトに住んでいて、彼女が後に錬金術をする上で定番の蒸留の

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    yaneshin 2019/07/26
  • 立身出世をめぐる人間ドラマが面白い中国古典小説「儒林外史」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    科挙試験をめぐる男たちのヒューマンドラマ 中国の清朝中期を代表する文学作品と言えば、「紅楼夢」と「儒林外史」です。 高校の世界史の授業で習ったかと思います。 今回取り上げたいのは呉敬梓(ごけいし)作の「儒林外史」。 紅楼夢が美少年・美少女が登場する華やかで甘美な世界であるのに対し、儒林外史に登場するのは「普通の人々」。人々が「科挙試験」をパスして立身出世を目指そうと動き回り、その悪戦苦闘の中で起こる悲喜劇を描いたヒューマンドラマです。 1. 作者・呉敬梓と儒林外史 作者の呉敬梓は安徽省の名家の生まれ。 幼い頃から聡明で、20代前半で秀才に合格するも、父の死で家が傾きはじめ、親戚を交え財産争いに突入。そんな中で呉敬梓は道楽で財産を使い果たしてしまいます。33歳で故郷から南京に移った呉敬梓は、安徽省の長官から才能を見込まれて官職に就くように求められますが、それを拒否して54歳で客死するまで生涯

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    yaneshin 2019/07/16
  • 中世セルビア王国の勃興と野望 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    東方キリスト教世界の王を目指したバルカンの大国セルビア 旧ユーゴスラヴィア連邦は南スラブ系民族を中心とした連邦国家でしたが、その中心にあったのはベオグラードを都に構えるセルビア人でした。 セルビアは現在でも様々な民族・宗教・言語が入り混じるバルカン半島内において、経済力・政治力・文化力で頭一つ抜け出した存在ですが、故に周辺国との摩擦が絶えません。セルビア王国は中世でもバルカンの有力な国家で、一時はバルカンの半分を占領しビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルを脅かすほどでした。しかしオスマン帝国に敗れ、併合されてしまいます。 歴史はセルビア人がバルカン半島にやってきた7世紀ごろから始まります。 1. セルビア国家形成の動き 初期セルビア国家の形成 セルビア人は南スラブ系民族に属し、モンテネグロ人、クロアチア人、スロベニア人、マケドニア人と系統は同じです。南スラブ系民族は、7世紀ごろに遊牧民

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    yaneshin 2019/07/15
  • 【2019年7月版】世界史関連の面白そうな新刊35冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    2019年前半に発売された面白そうな世界史関連の 半年ぶりの新刊紹介です。 半年もたつと山のように世界史関連の新刊が発売されるんですが、全部紹介すると大変なので、ぼくが「あ、これは面白そう」「これは読みたい」と思ったもののみ紹介します。それでも35冊ありますが、どうぞお付き合いください。 紹介順はおすすめ順とかではなく「正統派→マニアック→変わり種」という順です。 1. 図説 十字軍(ふくろうの/世界の歴史) 櫻井康人著 河出書房新社(2019年2月14日発売) 図説 十字軍 (ふくろうの/世界の歴史) 作者: 櫻井康人 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/02/13 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 現在のキリスト教世界とイスラームとの対立にも通じる十字軍は、今、その質が見直されている。真の目的は何だったのか?約700年間に渡る十字軍史を、多様な角

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    yaneshin 2019/07/13
  • 99%死ぬ状況から生き残った奇跡のサバイバーたち - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    映画のような奇跡の生還ストーリー テレビ番組やネットのニュースでよく見る「奇跡の生還ストーリー」。 昔からこの手の「奇跡の生還」の話は人気ですが、実はこういう話はかなり昔からあって人々の感心や興味をかきたててきました。 現代でも奇跡を生き残った人は尊敬されますが一過性のニュースで終わることがほとんど。昔はそれが長い間語り継がれて伝説のように語り継がれることがありました。 かつて市井を賑わせた「奇跡の生還」の話を紹介します。 1.アン・グリーン(イギリス) 絞首刑になったのに生きていた女性 1650年のこと、イングランドで女中として働いていたアン・グリーンという若く貧しい女は、雇用主の孫に言い寄られて関係を結び妊娠してしまいます。下端働きの身分で主人の孫の子を身ごもったなど、とんでもないこと。彼女は妊娠したことを隠し通し、6ヶ月後に流産すると穴を掘って遺体を遺棄しました。 ところが遺体が発見

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    yaneshin 2019/07/09
  • 日の丸に似てる国旗 - 日の丸が世界の国旗に影響を与えたというのは本当か? - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    日の丸のデザインが他の国のデザインに影響を与えたというのは当か とある言説によると、アジアを中心に欧米の植民地になっていた国々が独立をする際に、日露戦争や太平洋戦争で欧米相手に戦った有色人種の日の国旗である日の丸のデザインはリスペクトされ、いくつかの国の国旗のモデルになったのだそうです。 耳触りがいいこの言説は広く語れる傾向にあるので、果たしてこれは事実であるのか検証いたしたく、今回は日の丸にデザインが似ている旗の起源を見ていきたいと思います。 1. グリーンランド 氷河と海と沈む太陽 グリーンランドはデンマーク領ですが自治領として独自の旗を持っています。 もともとは他の北欧各国と同じような白・緑・青の十字のデザイン、いわゆる「ノルディッククロス」のデザインでしたが、555ものデザイン案の中から政府が選定し、1985年に正式に制定されました。 さてこのデザインは、白はグリーンランドの8

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    yaneshin 2019/06/30
  • あまり知られていない、世界を変えた科学者列伝 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    現代社会を作り上げた偉大な科学者たちの功績を知ろう 電話を発明したグラハム・ベルや、白熱電球を発明したトーマス・エジソン、ラジウムを発見したキュリー夫人の功績は小学生でも知っています。科学者の伝記は人気があるジャンルなので、子ども向けのがたくさんありますよね。 ですがまだまだ世に知られていない、多大な功績を残した科学者はたくさんいるので、そのような人たちを折に触れてピックアップしていきたいと思います。今回はその初回です。 1. ユーニス・ニュートン・フット 1819-1888(アメリカ) 地球温暖化現象を最初に予見した女性科学者 一般的に温室効果を発見したのはアイルランドの物理学者ジョン・ティンダルと言われていますが、彼が発表した数年前に二酸化炭素が温室効果ガスであることを発表していたのがアメリカの科学者ユーニス・ニュートン・フットです。 それは1856年にアメリカン・ジャーナル・オブ・

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    yaneshin 2019/06/22
  • クスクスの歴史 - 謎が多い極小パスタの起源とは - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by Khonsali まるで炊き込みご飯みたいな出汁の効いた極小パスタ クスクスとは、北アフリカで生まれた極小パスタ、またはそれを使った料理を指して言います。 写真の見た目はご飯に見えますが、ご飯粒よりもっと小さいパスタ。しかしべた感覚はご飯といった感じで、茹でた肉や野菜のスープでじっくり蒸し上げたクスクスは、ちょっとスパイスが効いた炊き込みご飯といった味。 他にも、サラダにしたりスープに入れたりと、おしゃれで便利な材ということでじわじわ広がりつつあります。 しかしその起源はよく分かっておらず、謎の多いべ物なのです。 1. クスクスとはなにか クスクスはデュラム小麦に水を混ぜたものを、極小サイズに形を整えて乾燥させたものです。 昔はこれは手で作られていましたが、現在はほぼ機械で作られています。 小麦粉に少量の水を加えて乾燥させ、できた固まりやダマを粗い目の金網の上でワイ

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    yaneshin 2019/06/10
  • 西ゴート王国の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    名前は知ってるけど比較的マイナーな西ゴート王国の歴史 世界史の序盤で必ず学ぶ、ゲルマン民族大移動。 アングロ族、サクソン族、ロンゴバルド族、ヴァンダル族、フランク族、西ゴート族、東ゴート族あたりは、その名前とどこに移動したかくらいは覚えると思います。 けどその先どうなったかまで学ぶことは少なく、特に今回の西ゴート王国のようにどういう歴史を経たかはマイナー分野になってしまうでしょう。 415年の西ゴート族のイベリア半島到来から、711年のアラブ帝国侵入と崩壊までをまとめます。 1. 西ゴート族の到来 西ゴート王国の成立 375年のフン族ヨーロッパ到来から怒涛のようにゲルマン人が西へ移動していき、早くも409年にはイベリア半島にヴァンダル族とアラン族(アラン族はイラン系でゲルマン系ではない)が侵入しました。 しばらく混乱が続くもゲルマン人もローマ帝国内の秩序に組み込まれていき、ヴァンダル族、ス

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    yaneshin 2019/06/02
  • 中世イングランドの有名な騎士たちのエピソード - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    騎士道が息づいていた時代の古き良きイングランド 百年戦争時代のイングランドは、騎士道精神が息づいていた時代で「古き良きイングランド」で人気がある時代です。 騎士道精神と一口で言っても、サムライのように主君に忠誠を誓うような人ばかりではなく、信念に従ってイギリス国王に死ぬまで抵抗する「騎士道」の形もあったわけです。 1. 第2代ランカスター伯トマス 1278-1322(イングランド) 国王エドワード2世と対立し殺害された有力諸侯 第2代ランカスター伯トマスの祖父は英国王ヘンリー3世で、国王エドワード2世とは従兄弟にあたる関係です。国王に最も近い親類筋ということで資産や領地は莫大で国内有数の貴族でしたが、エドワード2世との関係は最悪でした。 というのも、エドワード2世は幼馴染のコーンウォール伯爵ピアーズ・ギャヴィストンのみ信頼して他の諸侯を信頼せず、国王とギャヴィストンのみの密室政治が展開され

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    yaneshin 2019/05/08
  • 16世紀ラテンアメリカの反乱と武装蜂起 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by Adamt 新たな秩序を求めて抗争が続いた16世紀のラテンアメリカ 16世紀前半にラテンアメリカに侵入したスペイン人征服者(コンキスタドール)は、火砲や馬といった優勢な武器、原住民同士の反目を利用して征服を実行し、1522年にはコルテスがアステカ帝国を、1533年にはピサロがインカ帝国を滅ぼしました。またスペイン人が持ち込んだ病原菌は免疫のない原住民の命を容易に奪い、原住民人口の大幅な減少をもたらしました。 ただし、原住民もただスペイン人にやられっぱなしだったわけではなく、帝国の王族の末裔を担いだり、宗教指導者の下に集まったりしてスペイン人支配に抵抗しました。 また征服した側のスペイン人も、スペイン国に富を収奪されることを嫌い、独自の支配を求めてたびたび国に歯向かっています。 16世紀のラテンアメリカは、スペインの植民地としての体制がまだ整わず半ば混乱状態にあり、その

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    yaneshin 2019/05/01
  • 古代チェコ神話 - チェコ人の成立、プラハの建設、乙女戦争 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    チェコ統一を精神的に支えた民族の年代記 ボヘミアのチェコ人は9世紀ごろに独自のプシェミスル朝を開き14世紀まで続きますが、王権は弱く神聖ローマの影響下に組み込まれ、またチュートン騎士団を始めドイツ人の東方植民の流れもあり「ドイツ化」の危険を常にはらんでいました。 プシェミスル朝の正当性主張とチェコ人の統一を図るために重要だったのが、「チェコ民族はどこからやってきて、どのように国が作られたか」という民族の年代記でした。 11世紀にはコスマス年代記、14世紀にはダリミル年代記、16世紀にはハーイェク年代記などが書かれ、キリスト教到達以前の民族神話に加えボヘミア王の物語やヤン・フスの宗教戦争の物語などチェコ民族の栄光を讃える内容が盛り込まれました。 19世紀の民族復興期以降に盛んに読まれ、現在のチェコ共和国まで受け継がれています。今回はキリスト教到達以前の移住伝説からチェコ人形成の逸話をピックア

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    yaneshin 2019/04/29
  • 18〜19世紀のヨーロッパ高級娼婦のゴシップ伝説(後編) - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    19世紀に入って変わるクルチザンの形 ヨーロッパの高級娼婦の後編です。 前半ではルイ15世の愛妾を中心に、フランス革命前の「古き良き」宮廷に侍ったクルチザン(高級娼婦)たちをリストアップしました。前編はこちらよりどうぞ。 フランス革命が勃発後、急速に現代的な価値観が世の中に浸透していく中で、どのようにクルチザンの形が変わっていったのかを見ていきたいと思います。 7. ドロシー・ジョーダン 1761–1816(イギリス) 国王ウィリアム4世即位前の愛妾 ドロシー・ジョーダンは愛称をドーラとも言い、アイルランド人の父とウェールズ人の母との間に生まれたごく普通の庶民の出です。 幼いころから機転が利いて愛想がよく、なにより大変美しかったドロシーは、1777年に16歳で舞台デビューを果たして主に喜劇の「おてんば娘」の役で活躍しました。当時の舞台女優は愛妾も兼ねていたこともあり、様々な男たちがドロシー

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    yaneshin 2019/04/28
  • 18〜19世紀のヨーロッパ高級娼婦のゴシップ伝説(前編) - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    贅沢な暮らしと絶対的な権力を得た女たち フランス語では「クルチザン(Courtesan)」と言うのですが、昔の宮廷や貴族の社会には上流階級の男性の「お遊び」の相手をする女性がいました。お酒や事の相手をしたり、会話やデートをしたり、夜の相手をしたりします。日語では「高級娼婦」などと呼びます。 必ずしも出自が高い人物とは限らず貧しい生まれの女性もいて、豪華で贅沢な生活や権力の座を夢見て美貌と才覚でのし上がり、王族や貴族の愛人の座を射止めるケースもありました。 また当時の高級娼婦は一流の文化人・芸能人でもありました。今でいうところの、歌手・ダンサー・モデル・女優・アイドル・文筆家・インフルエンサーのような存在であったわけです。現在でも単に美人なだけでは芸能界で生き残れませんが、当時はもっと熾烈な女同士の戦いがありました。 18世紀~19世紀の代表的な高級娼婦の逸話を紹介していきます。今回は1

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    yaneshin 2019/04/25
  • ケチャップの歴史 - 英国流オリエンタルソースからアメリカの味へ - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    にはかかせないテーブルの必需品ケチャップ 皆さまのお宅では、ケチャップとマヨネーズはペアになって冷蔵庫に入っていないでしょうか。もしかしたら、お好み焼きソースやウスターソースもセットになっているかもしれません。 料理はしなくて冷蔵庫がほぼ空っぽな人でも、 ケチャップはあるという人も多いのではないでしょうか。 日人は世界的に見てもかなりのケチャップ好きと言えると思うのですが、今回はそんな日人の生活に欠かせないケチャップの歴史を見ていきたいと思います。 1. 初期のケチャップ Photo from Rex Roof 「ケチャップ」という名前は、閩南語の「ケチアプ kê-tsiap 鮭汁」に由来します。 ケチアプは17世紀ごろに中国南部に広がった調味料で、塩漬けの魚に各種スパイスをミックスした調味料です。現在のナンプラーのようなものか、あるいはナンプラーにスパイスミックスを溶かしたやつ

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    yaneshin 2019/04/23
  • 「金髪女はバカ」という偏見はなぜ生まれたか - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    金髪女はIQが低く、ルックスしか興味がないという偏見 欧米では「Dumb Blonde Jokes」というのがあります。 直訳すれば「バカな金髪ジョーク」というものです。例えばこんなものです。 赤毛女が金髪女に言った 「この間ブラジル人と寝ちゃってさ」 「まあ、あなたったらなんてふしだらなの。ところでそのブラジルジンって人は何人なの? 金髪がジグソーパズルを完成させるのに半年かかったが自慢げだ 箱を見ると「2 to 4 years」と書いてあった Q.頭の良い金髪の名前を挙げよ A.ゴールデン・レトリバー これはあくまで一例で「金髪女はIQが低い」とか「ルックスしか興味がない」などといったステレオタイプを信じる人も大勢いて、そういった偏見がネットの世界でも大量に流れています。 そのようなステレオタイプはとんでもないデマとすぐ分かるものですが、なぜこのような偏見が根強く残っているのでしょうか

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    yaneshin 2019/04/21
  • チェコスロバキア軍団 - 祖国へ帰るための孤独で長い戦い - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    祖国への帰還を目指してロシアで戦い続けた国なき軍団 チェコスロバキア軍団は第一次世界大戦中の1914年から1917年にかけて、連合軍の一翼として戦ったチェコスロバキア人の軍団です。 オーストリア=ハンガリー帝国軍の兵として参加したものの捕虜になりチェコスロバキア軍団に所属になった者、志願して参加した者などきっかけは様々でしたが、皆祖国の独立を願い結束力と士気が非常に高い部隊でした。 しかし1917年にロシア革命が勃発してロシア・ロマノフ王朝が崩壊。ロシアは赤化しチェコスロバキア軍団はロシア内に取り残されてしまいます。一刻も早いロシア脱出を望む兵たちでしたが、そこから長い赤軍との戦いが始まることになるのです。 1. チェコスロバキア義勇軍の成立 Work by ThecentreCZ チェコスロバキア民族主義の勃興 チェコスロバキアは長年ハプスブルグ帝国の支配下に組み込まれていましたが、汎ス

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    yaneshin 2019/04/20
  • ビアフラ戦争史(後編)- 国際社会の介入と内戦の泥沼化 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    ナイジェリア軍 vs ビアフラ軍の一進一退の攻防 前編では、北部ハウサ・フラニ人と東部イボ人の民族的対立やナイジェリア軍人たちの対立が加速した結果、とうとう東部州が1967年5月にビアフラ共和国として独立するまでをまとめました。 前編をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。 後編では、ナイジェリア軍のビアフラ侵攻から共和国の崩壊に至る約3年の戦争をまとめていきます。 1. 開戦・連邦軍の攻勢とビアフラ軍の反撃 連邦軍の攻勢 ビアフラ共和国建国宣言から2ヶ月後の1967年7月6日、北東部の町オゴジャに連邦軍が攻撃を開始。ビアフラ戦争が勃発しました。 翌日、北部の町ヌスカに連邦軍の主力6,000が正面攻撃を開始し、ビアフラ軍も3,000の兵力で守備に当たっていましたが難なく突破され、ヌスカの町が陥落します。 次いで7月25日、連邦軍はビアフラ共和国の「心臓部」であるボニー港の攻略にかかります。ボニ

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    yaneshin 2019/03/31