ロシアによる侵攻がウクライナのIT産業に影を落としている。これまでIT人材の豊富さを理由にウクライナのIT市場は順調に伸びてきたが、戦闘の長期化に伴い、一定の打撃は避けられない情勢だ。米子会社がウクライナに大規模なエンジニアリング拠点を展開している日立製作所をはじめ、日本のIT大手やユーザー企業も無縁ではいられない。直接的な影響は限られるにもかかわらず、ウクライナの会社への発注をためらう企業が増えるリスクも懸念される。 IT分野の卒業生は中東欧で最多 「東欧のシリコンバレー」。そう形容されるほど、IT分野でウクライナは一定の存在感がある。それはデータにもはっきりと表れている。 ウクライナ国立銀行によると、同国のコンピューター関連サービスの輸出額は2021年に70億ドルに迫る規模まで成長した。同国のIT産業は海外の顧客からシステム開発などを請け負うアウトソーシングビジネスが中心で、10年前と