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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (12)

  • FRBはケチャップを買うか - 池田信夫 blog

    Economist誌が、FRBに非正統的な金融政策を推奨している。これは日が経済政策で世界に誇れる、数少ない分野だ。なにしろ10年近く、論争が続いているからだ。書は「失われた15年」との関係でこうした政策を整理しているが、今回の金融危機についての分析を加えて英訳すれば、各国の政策担当者に重宝されるだろう。植田和男氏によれば、非正統的な金融政策には次の3種類がある:インフレ目標 リスク資産の大量購入 量的緩和このうち日銀が行なったのは主として3だったが、あまり効果がなかった。日の論争で最大の焦点だった1は、「時間軸政策」として一定の効果があったが、大したことはなかった。これはクルーグマンも撤回し、今回はまったく議論になっていない。書も批判するように「日銀が無責任になることを約束する」という彼の政策提言は、論理的に成り立たないからだ。実際に激しいインフレが起こったら、日銀がそれを放

    yoshioka89
    yoshioka89 2008/11/29
    あとで
  • 自家用ジェット機というメタファー - 池田信夫 blog

    世界が注目する中で行なわれた米自動車産業の救済に関する公聴会をぶち壊したのは、「ビッグ3のCEOは納税者の金を求めて自家用ジェット機でやってきた」というABCのスクープだった。 「自動車産業の首脳が250億ドルの資金援助を求める」というニュースは、金額が大きすぎて普通の人にはピンと来ないが、「デトロイトからワシントンまで1時間足らずのフライトに2万ドルもかけた」といえば、誰でもわかる。「エコノミーだったら288ドル」と聞いたら、怒りが爆発する。このニュースはdiggのトップを飾り、2385もブックマークがついた。 これはレイコフのメタファー理論(あるいは行動経済学のプロスペクト理論)の鮮やかな例証だ。もちろんジェット機のリースをやめたところで焼け石に水にもならないのだが、そんなことはどうでもいい。問題は自家用ジェット機というフレームで人々が問題を見るようになったことだ。3分半のリポート

  • 医師会には社会的常識が欠落している人が多い - 池田信夫 blog

    麻生首相の「失言」が次々に問題になっている。きょうは「医者には社会的常識が欠落している人が多い」という発言が槍玉に上がっているが、これは文脈を無視した引用である。もとの発言は、朝日新聞によれば、(医師不足が)これだけ激しくなってくれば、責任はお宅ら(医師)の話ではないですかと。しかも「医者の数を減らせ減らせ、多すぎる」と言ったのはどなたでした、という話を党としても激しく申しあげた記憶がある。というもので、これは正論だ。小倉秀夫氏も指摘するように、かつて「医師過剰」の是正を繰り返し求めたのは日医師会出身の議員だった。たとえば1993年に参議院文教委員会で、宮崎秀樹議員(当時)は次は、大学の医学部、医科大学の学生定員の問題でございます。これに関しましてはいろいろ定員削減という方向で文部省と厚生省との話し合いができておりまして、一〇%削減、こういう目標を立ててやっているのですが、実際にはそこま

  • Back to the 90\'s - 池田信夫 blog

    アメリカの状況をみていると、日の90年代を違った形で後追いしているようにみえる。いわば日は、映画"Back to the Future"で未来にきたようなものだから、これからどうなるかも予測できる。今度の下院による金融危機対策の否決は、ドラスティックではあるが、日のバブル崩壊初期に起きた拒否反応とよく似ている。 1992年の夏、私はNHKスペシャル「追跡・不良債権12兆円」という番組を担当し、金融業界の関係者に取材していた。その実態はこの公式の数字(グロスの額)よりはるかに悪く、公的資金の注入は避けられないというのが彼らの一致した見方だった。宮沢喜一首相は、この年の軽井沢セミナーで、興銀の中山素平などが設立に動いていた担保不動産の買い上げ会社に「公的資金を注入することにやぶさかでない」とのべた。 このとき関係者がみんな心配していたのは、日債銀が関連ノンバンクで1兆円を超える不良債

  • 地球温暖化バブル - 池田信夫 blog

    『季刊AT』という雑誌に、槌田敦氏の「温暖化の脅威を語る気象学者たちのこじつけ理論」という論文が出ている。著者は著名な物理学者で、この原文は今年の国際学会誌に掲載されたものであり、トンデモ論文ではない。その主要な論点は、地球温暖化は、CO2蓄積の原因であって結果ではない CO2濃度の上昇の主要な原因は、気温上昇であって人間活動ではないということである。くわしい論証は英文論文にあるが、その意味は図1をみただけでもわかるだろう。この図は過去22万年間のCO2濃度と気温変化(ΔT)とメタン(CH4)濃度を比較したIPCCのデータだが、ほぼ完全な相関関係がみられる。絶対的な気温でみても、現代より1000年前の「中世温暖期」のほうが気温が高く、最高気温は10万年前に記録されている。この原因が人間活動でないことは明らかである。 この相関をCO2上昇→気温上昇という因果関係と解釈するのが大方の見方だが

  • インクカートリッジ「里帰り」の偽善 - 池田信夫 blog

    プリンタの使用ずみインクカートリッジを里帰りさせるプロジェクトが先月から始まった。プリンタ・メーカー6社が郵便局に使用ずみカートリッジの回収箱を置き、それを分別して各社に返送し、リサイクルする。「ライバル企業が手を取り合い、環境問題に取り組む」ことをアピールするのがねらいだという。 しかし武田邦彦氏もいうように、プラスチックを分別・再成形するリサイクルは、資源の浪費である。それより効率的なのは、カートリッジの再利用、つまりインクを詰め替えることだ。環境にやさしいプリンタ・メーカーは、当然こういうビジネスを推奨しているのかと思ったら、エプソンもキヤノンも再生カートリッジのメーカーを訴え、エプソンは敗訴、キヤノンは勝訴した。細かい法的な争点には立ち入らないが、「法と経済学」の観点からみると、再生品を違法とする判決は反競争的であり、資源の浪費をまねく。 先日、私のプリンタのインク(キヤノンB

  • 「食糧サミット」で農産物自由化を - 池田信夫 blog

    洞爺湖サミットの目玉として、政府は途上国に対して100億円の糧支援を行なうことを決めた。このバラマキは、かつて沖縄サミットで世界の笑いものになった「IT支援」の二の舞になるだろう。朝日新聞は「糧暴発」なるシリーズで「投機マネーが糧不足につけこんで価格を吊り上げている」というキャンペーンを張っているが、下の図をみればわかるように、価格が急騰している米でもここ30年で生産量は倍増しており、絶対的な糧不足は存在しない。もし投資ファンドが糧を過大に買い占めているとすれば、いずれ損を出すだろう。 問題は「新興国の需要増」でも「投機マネー」でもない。昨年タイ、インドネシア、カンボジアなどの穀物輸出国の気候が不順だったため、彼らが輸出規制を行なって需給バランスが崩れたことがきっかけだ。それにアメリカの愚かなバイオエタノール増産計画が拍車をかけた。これに対応すると称して、EUでは農業所得の34

    yoshioka89
    yoshioka89 2008/05/07
    国連の見方とは短期的・長期的な見方で違うということだろうか
  • iPod課金は「消費者保護」に逆行する - 池田信夫 blog

    iPodに課金するという話が、また出てきたようだ。これについては、昨年「アップルジャパン」を名乗って「私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべきである」とか「著作権行政を他の省庁に移管することを強く望む」などと激越な調子で文化庁を非難したパブリックコメントが話題になったが、この意見は文化庁のサイトから削除され、担当者はクビになったそうだ(別の外資系企業に行ったらしいが)。 それはともかく、文化庁が消費者よりも「はじめに文化ありき」とかいう意味不明のキャッチフレーズを掲げる業界団体の味方であることは、歴然たる事実だ。しかしスコッチマーを初め、経済学者が一致して主張するのは、政府が最大化すべきなのは企業収益ではなく消費者の利益だということである。 かりにiPodが一部の権利者に機会損失をもたらしているとしても、Podcastingなど多くのイノベーションが生まれたことによって、消費者は大きな利

  • 「世間」の空気を恐れる古い脳 - 池田信夫 blog

    私のブログやコラムで、「匿名」という文字が出てくると、いつもイナゴが大騒ぎする。他人を「闇討ち」できる既得権が、何より大事なのだろう。私は「日人は個が確立していない」という類の近代化論的ステレオタイプは好きではないが、彼らの言動をみていると、そういう類型的な「古い日人」のDNAが若い世代にも受け継がれていることにうんざりする。こういう状況は、ウェブだけではない。会社でも、飲み屋ではグダグダ上司の悪口をいうくせに、会議では黙っている「内弁慶」は多い。 このように人々を支配する空気を、阿部謹也は世間とよんだ。彼の『ヨーロッパを見る視角』によれば、「個人」の概念が生まれたのは近代資主義の時代ではなく、11〜2世紀だという。古代の欧州は、ほとんどの社会と同様、世間の空気に支配される共同体だった。古代ローマがイスラムによって破壊され、こうした古代的秩序が失われたあと、11世紀以降に欧州を統合

    yoshioka89
    yoshioka89 2008/05/02
    上を見る人の歴史的背景
  • 日本の新聞サイトのリンクはなぜ切れるのか - 池田信夫 blog

    何度も書いたことだが、日の新聞社のサイトのリンクは、早ければ3日で切れる。ひどいのになると、朝日の社説のように"http://www.asahi.com/paper/editorial.html"という相対番地しかないので、日付が変わると内容が変わってしまう。しかも日の新聞社・通信社のサイトすべての記事でリンクが切れるのは、談合としか考えられない。 先日、asahi.comの編集委員に「なぜ日の新聞サイトには固定リンクがないのか」ときいたら、「有料データベースの営業からの要請で・・・」と言っていたが、リンクが切れたからといって、月額3150円+記事1に84円も払って読む人がいるとは思えない。それよりアクセスやリンクが減って広告単価が下がる負の効果のほうが大きいだろう。NYタイムズでさえ、アーカイブは原則無料になった。 最近はロイターの日語サイトが充実してきたので、リンクはなる

    yoshioka89
    yoshioka89 2008/05/02
    携帯だともっと不便
  • 『紛争の戦略』 『個人主義と経済秩序』 - 池田信夫 blog

    古典が2冊、復刊された(シェリングは初訳)。『紛争の戦略』は1960年、『個人主義と経済秩序』は1948年のだが、内容はまったく古くなっていない。経済学に古典とよべるは少ないが、この2冊は、少なくとも経済学部の学生は絶対に読むべきである。 シェリングのは冷戦を「協調ゲーム」ととらえ、核戦争を回避する「よい均衡」に到達する情報戦略を考えるものだ。こうした「均衡選択」の戦略は合理的には導けず、当事者の心理が重要だ。これはゲーム理論の最良の入門書であると同時に、今なお新しい問題を提起している。 ハイエクのについては、今さら解説するまでもないが、帯に「インターネットはここから始まった!」と書いてあるように、若い読者が読んでも新鮮だろう。版元のPR誌に私も推薦文を書いたが、ハイエクのを1冊だけ読むなら、書をおすすめする(アマゾンのタイトル表示がおかしいので、直したほうがいい)。

  • 人生越境ゲーム - 池田信夫 blog

    著者は、私が非常にお世話になった恩師なので、客観的な書評はできないが、書は日経新聞に連載されたとき話題になった、とても学者の自伝とは思えない波乱万丈の活劇である。 一つだけ補足すると、60年ブントの理論的支柱とされる「姫岡国独資論」は、今の過激派のような誇大妄想的な革命論ではない。「民主主義的言辞による資主義への忠勤」などレトリックは過激だが、内容は意外に常識的で、トロツキーのスターリン批判と宇野経済学の国家独占資主義論を現状分析に応用したものだ。書でも43ページで少し紹介しているが、要点はソ連はスターリン官僚に簒奪され、もはや「労働者国家」とはいえない 日帝は米帝から一定の独立性をもっており、「対米従属」という規定は成り立たない国独資は帝国主義(金融独占資主義)の次の必然的な発展段階で、「構造改革」のような改良主義では変革できないというもので、独特のジャーゴンを除くと、当時の

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