1960年8月10日生まれ。演出家。日本大学芸術学部卒。大学在学中、『名探偵ホームズ』の脚本に参加。その後『NEMO』プロジェクトに演出の補佐役として携わる。『名犬ラッシー』で監督デビュー。代表作に『BLACK LAGOON』、劇場『アリーテ姫』、劇場『マイマイ新子と千年の魔法』等。
広島と呉、太平洋戦争の我が国における悲劇の地を舞台としながらも、戦争の悲しみや怒りと同等、いやそれ以上に、そこで繰り広げられていた人々の暮らしの営み、恋、吐く息の温かさ、そういった”戦災”という言葉で全てなかったことにされてしまいそうな、”生”のきらめきを描く事に注力している。だからこそ、『この世界の片隅に』は、人間の固有性にまつわる物語だ、と言える。戦死者○名、といったような記号でのっぺらぼうにされてしまった人々の顔、名前、声、人格、特技etc・・・を鮮明に描き出す事で、その固有性を蘇らす。そうすることでやっと、我々はその悲しみを想像することができるのだ。つまり、本作はクリント・イーストウッドが本年送り出した『ハドソン川の奇跡』という傑作や、奇しくも主演女優を同じくする宮藤官九郎脚本のNHK連続小説テレビ『あまちゃん』(2013)と、そのフィーリングを共有する。あらかじめ、観る者がその結
11月12日に公開されたアニメ映画『この世界の片隅に』が話題を呼んでいる。こうの史代氏の原作漫画のアニメ化となる本作では、太平洋戦争下の日本で“普通”に生きる女性・北條すずの生活が丁寧に描かれる。 公開時点では63館という上映規模で始まったが、口コミを中心に評判が広まり、興行収入3億円を突破し今なお客足を増やし続けている。 本作を手掛けた片渕須直監督は『魔女の宅急便』の演出補などを務めた後、『アリーテ姫』や『マイマイ新子と千年の魔法』を監督したことでも知られている。 前編では、そんな片渕監督に、原作との出会いから、2010年から6年という歳月を費やし、自腹を切ってまでアニメーション映画化に全力を注いだ『この世界の片隅に』への思いについて、お話をうかがった。 ※『この世界の片隅に』作品本編のネタバレを含む内容となります 文:須賀原みち 原作者・こうの史代は「自分によく似た遠い親戚」 ──まず
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く