『選挙』『精神』などの「観察映画シリーズ」で知られる映画作家、 想田和弘さんによるコラム連載です。 ニューヨーク在住の想田さんが日々「観察」する、 社会のこと、日本のこと、そして映画や芸術のこと…。 月1回の連載でお届けします。 第14回 帝国主義と異文化交流のはざまで ニューヨークを拠点にして21年目になる。だが、これまでに作った6本の長編ドキュメンタリー映画作品は、すべて日本を主な舞台にした日本語の作品である。したがって、拙作の主な観客は日本に暮らす日本語話者を想定している。 とはいえ、映画は世界各国の映画祭や劇場や大学で上映されたり、テレビ放映されたり、DVDとして販売されたりもしている。 そのときに問題になるのが、言葉の壁である。 当然、字幕無しでは海外の観客どころか、映画祭のプログラマーにも見せることはできない。作品の完成と同時に、まずは英語字幕を付けることが必要になる。 これが
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