[Part3] お国事情が見えるオペラハウス経営 世界の歌劇場の収入のよりどころは、各地各様。台所事情にお国柄が透けて見える。 公的な助成金は大陸欧州で充実している。パリ・オペラ座を持つフランスでは国からの助成が中心だが、ミュンヘンのバイエルン州立歌劇場に見られるようにドイツでは州政府や市からが中心。 ナチス時代の国による文化統制への反省からという。ロイヤル・オペラ・ハウスを持つ英国の助成割合は仏独の半分に過ぎない。 一方、米国では個人寄付が劇場を支えている。 ニューヨークのメトロポリタン歌劇場は、総収入のうち助成金の割合がわずか2.5%。寄付の優遇税制もあって、収入の3割超を個人や法人からの寄付でまかなう。 オペラを映画館で上映する際にも「寄付はこちらまでどうぞ。電話番号は……」とCMで流すほど、PRも万全だ。 近年劇場が取り組みを強化しているのはチケット以外の事業売り上げ。 休憩時間に