もう一度舞台に出たい、このままでやめてしまうのはいやや、そう思てリハビリについていく 平成25年1月3日。大阪日本橋、国立文楽劇場。その舞台に竹本住大夫は戻ってきた。 その時、88歳。万来の拍手に迎えられての復帰であった。 半年前の7月12日、住大夫は自宅にいて脳梗塞に見舞われ、病院に運ばれた。処置も早く軽度のため手術はせず、入院しながらリハビリを続けこの日を迎えたのである。 「住大夫!」という会場からの掛け声に感極まり、住大夫は床で語りながら、涙が頬を伝わるのを感じたという。 「そりゃあうれしかったです。胸が詰まりましたわ。初日は満員で、拍手がすごうて、住大夫!って声をかけてくれはって、お客さんの励ましでやらしてもろたもんでんな。お客さん、ファンというのはありがたいな!とつくづく思いましたね。入院中もファンの方やお馴染みの方がお寺や神社でご祈祷したお札を送ってくれはったり、山川さん(元N