「報連相」という言葉がある。報告・連絡・相談は社会人の基本であって、仕事を円滑に進めるための必須条件であると信じられているわけだが、本当にそうなのか。 例えば、報告のためには「立派な報告書」を作らなければならない。そのためには、それ相応の時間がかかる。また、ウソを書くわけにはゆかないが、あまりネガティブな内容だと報告者の能力や良識を疑われるので、自分で何とかなりそうな些細なトラブルや状況の変化は報告書には書かないようにする。進捗がはかばかしくないときは、ビジネス環境やお客様の状況が厳しいと言い訳し、だから「自分は悪くない」と、さりげなく気付かせることができるような文学的表現を駆使する。 そうやって時間をかけて文章を仕上げるわけだが、結果として現場の「感覚」や「雰囲気」は抜け落ちてしまう。 些細なトラブル、ちょっとした状況の変化、現場の感覚が伝わらないままに、現場で何とかしようともがくほどに