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文学と小説に関するyucoのブックマーク (6)

  • iPadは「砂の本」である

    物語の魔術師ボルヘスは、「砂の」という名の理由をこう述べる。 このは、『砂の』というのです 砂と同じくこのには、 はじめもなければ終わりもないのです じっさい手にしてみれば分かる、どの短編を拾っても、そこから次へ紡がれて次からボルヘスの手を経て、またそこへ還ってゆく。スゴ「伝奇集」の円環より、もっと立体性を感じる。円よりも、そう、螺旋構造をめくっているような感覚。読み手の読書経験によると、そこにクトゥルフや千夜一夜を見出したり、ドッペルゲンガーを思い出すことだろう。しかしそうした伝説を包含し、包含した「お話」を重ねてゆき、ついには巨大伽藍をぐるぐるしている自分がいる。 「砂の」には、最初のページがない。最初のページを探そうとしても、表紙と指のあいだには、何枚ものページがはさまってしまうのだ。最後のページも同様で、まるで、からページがどんどん湧き出てくるようだ。めくる傍からペー

    iPadは「砂の本」である
  • asahi.com(朝日新聞社):「生きる違和感」に普遍性 サリンジャー氏を悼む 柴田元幸 翻訳家・東大教授 - 文化トピックス - 文化

    「生きる違和感」に普遍性 サリンジャー氏を悼む 柴田元幸 翻訳家・東大教授(1/2ページ)2010年2月2日10時33分 1982年5月11日、米フロリダの劇場で女優と話をするJ・D・サリンジャーさん=AP 書店に設けられたサリンジャーさんの追悼コーナー=29日、東京・八重洲、高橋雄大撮影 若者といえば反抗するもの、と相場が決まっていた時代、27日に亡くなったJ・D・サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(1951)は、そうした若者たちの必読書という観があった。たとえば1960年代のアメリカでは、管理社会の息苦しさを精神病院に託して描いたケン・キージーの『カッコーの巣の上で』(1962)と、軍隊を舞台にやはり現代社会のいわば論理的な悪夢性を描いたジョゼフ・ヘラーの『キャッチ=22』(1961)とともに、『キャッチャー』は多感な少年の饒舌(じょうぜつ)な語り口を通し、大人の社会の画一

  • 2009年12月31日(木) | 星野智幸  言ってしまえばよかったのに日記

    少し前の話題だが、今年の野間文芸新人賞(受賞は村田沙耶香さん『ギンイロノウタ』)の選評で、角田光代さんがこう書いていた。 「気になったのは、(候補作のうち)多くの小説が、既にある「今とここ」を前提に書かれているように思えることだ。今とこことはつまり、現在であり、日の都市である。書き手は、読み手もまたその「今とここ」を共有していることを疑っていないのではないか。多くの小説が、「今とここ」という前提を無意識に引き受けて書かれたものに思えた。」 これに対し、村田さんの小説は、「慎重に「今」を排している。つまりいつの時代でも、どこの場所でも、共有されうる強さが小説の芯としてある」として、角田さんは推している。 同じような指摘を、選考委員の多和田葉子さん、松浦理英子さんも、表現を変えて行っているように、私には読めた。多和田さん松浦さんはまた、先行する小説をあまり読んでいないがゆえに、狂気を定型的に

    2009年12月31日(木) | 星野智幸  言ってしまえばよかったのに日記
  • 本棚の中から好きな小説を抜き出して並べてみたら10冊くらいしかありませんでした - 峰なゆかのひみつの赤ちゃんルーム

    今まで買ったの値段と読んだ時間を時給で考えると、パチンコにぶっこむよりも不毛なことをしていたんじゃないかと思ってぞっとしました。 愕然としました。 絶望しました。 死にたい。 とっても悲しいついでにその10冊をリストアップします。順不同。 ・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』 言わずもがな。 ・ミヒャエル・エンデ『モモ』 言わずもがな。映画もいいよね! ・三島由紀夫『金閣寺』 三島由紀夫はところどころにギャグを混ぜてくるので油断してると爆笑してしまいます。 という話を、今まであんまり同意してもらったことがないんだけど、私の知ってる限りでは川上未映子が同じようこと書いてました。 川上未映子そんな好きじゃないけど。 ・リチャード・ブローティガン『水瓜糖の日々』 出だしで、これから書くことを箇条書きでまとめてあって感動しました。 水瓜糖べてみたい。 ・トニ・モリスン『青い目がほしい』 醜い

    本棚の中から好きな小説を抜き出して並べてみたら10冊くらいしかありませんでした - 峰なゆかのひみつの赤ちゃんルーム
  • 私は光源氏が嫌いだった - 鰤端末鉄野菜 Brittys Wake

    はじめて源氏物語を知ったのは与謝野晶子訳だったような気がする。母親がもっていた、現代語訳の日古典選集みたいなものがあって(筑摩書房あたり)、それに収録されていたのだった。夏休みの最中に突然引越しが決まって、その荷物の出し入れで奥にしまいこまれていたが幾つか出てきて、学校がはじまるまでの間の暇をなぐさめていた。 源氏物語というものがあることは知っていた。小学六年生のときだから、あるいは学校で歴史の時間に習ったのか(当時、小学校の六年の社会は、公民と日史を混ぜたような内容だった)、それとも別ので読んだのか。与謝野は随分とすでに古風な文体ではあったが、それほど抵抗なくするりと読むことが出来た。ただ、やはり、宇治十帖などは複雑に過ぎて、その面白さがわかったのはだいぶん後になってからだった。 それで、話は波乱万丈で、いくつか贔屓の登場人物も出来て、たいそう面白く読んだのだが、わたしは主人公で

    私は光源氏が嫌いだった - 鰤端末鉄野菜 Brittys Wake
  • Amazon.co.jp: 恋の都 (ちくま文庫): 三島由紀夫: 本

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