Tyler Cowenの本が良い本であるということは以前のエントリで紹介したが、その本の中でも一番心に残るのは"Me Factor"という言葉である。 Tyler Cowenによると、経済学は「希少性」の分配を考える学問といっても間違いはないそうだが、特に高度に発達した先進国において一番稀少なものは何かというと、それは各個人の持つ興味であり、その興味があることに費やす時間であるといえるそうだ。つまり自分の興味とそれに掛ける時間こそが一番の稀少リソースであり、それこそが価値判断を行い、意思決定を下すときの一番のクライテリオンになるのだ。そしてそのクライテリオンを"Me Factor"という言葉で表現する。Me Factorにより鑑賞するべきファインアート、読むべき本、そして聴くべき音楽を選別することが、先進国において経済合理的に振る舞う個人の行為であるとするのだ。 ただ、"Me Factor
若い人に対して本の対する探索方法についてのブルシットを述べてみたい。世の中には、旧来からの新聞書評に加えてブログ書評も隆盛で、コストなしに書評を手に入れることができる昨今である。しかし、なかなかいい本には巡り会わないという意見が多いのだ それというのも、新聞書評に参加する人々は、自分たちも別の本の著者であるために、他人の本にケチをつけるというインセンティブが起きにくい。だから、往々にして内輪で褒め合う著者コミュニティの醸成になりがちだ。罵倒している新聞書評なんて見たことがないのはそのためだ。その意味で構造的なバイアスがかかりまくりなのだ。 またブログ書評についていえば、全くスゴく無い本をスゴ本と呼んで煽ったり、アルファブロガーが献本されまくって出版社のチョウチン書評家になったりと、日本のブログ界隈における書評はバイアスがかかりまくりだからしょうがない。まあ、ブログというメディアはそういった
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く