先週書いたエントリー、「『ハーバード白熱教室』の裏側』*1で、テレビで放映されたマイケル・サンデルの授業は、実際のハーバードの授業のうわべにすぎず、あの授業を含むハーバードの一般教養の授業には、多くのリーディング・アサインメントが課され、多数のTF(日本でいうところのTA、ティーチング・アシスタント)が配置されて、少人数性のディスカッション・セクションが並行して行われ、ディスカッションや、ペ―パー、筆記試験によるきめ細かい指導と、成績評価がなされていることについて書いた。これに対する反響で多かったのは、日本の大学ではあのような授業は可能かどうか、という事に関するものだった。とくに、日本ではとても無理、という悲観的な反応が多かった。*2これに対して何らかのの形で答える必要があると思うので、日曜日の午後を利用して、一つエントリーを書いてみる。 『ハーバード白熱教室』は日本で可能か?結論から書く
ハーバード大学におけるマイケル・サンデル(Michael Sandel)の授業が、『ハーバード白熱教室』としてNHKで放映され*1、かなりの人気を集めて話題になっているようだ。これはすべて再放送を待つまでもなく、ウェブ上で観ることができる(ただし英語だが)。*2 ちょうどいいので、これを使って、ハーバードの学部向け一般教養の授業の作りを説明してみようと思う。色々誤解もあるようであるし、あの映像だけでは分からないこともある。 私自身は、サンデルの授業を履修したことはないのだが、大学院生のときに、一般教養の授業のTAやHead TAをかなりやったので(といってもサンデルの授業ではもちろんなく、私の専門の科学史やSTS関係の授業である)、ハーバードの一般教養の授業の仕組みはかなり分かっているほうだと思う。とくに、日本人のハーバードの学部生というのがほとんどいないわけであるし、私が説明するのもまっ
伝説のニコ生化粧配信 前編 話題の変身メイクビデオをみて触発されたんで。 使った画像ツールはsai。顔じゅう塗りたくって、眉毛かいて、チークいれて、目のまわりに化粧すればこんくらいにはなるでしょう的なもの。 髪は気合いいれて描くと時間かかりすぎるので適当。 おまけ 目だけメイク 目だけメイクした時のメイクレイヤーの画像 顔と眉を塗った状態
1.パウルの誕生と青年時代 小生の父となるタコは老獪で恐れを知らず、母となるタコは優美で美しかった。 諸兄は、タコの交尾というものをご存知であろうか。なんでも脊椎世界には「くんずほぐれつ」という言葉があると聞くが、たった4本ぽっちの手足しか持たない脊椎動物からそのような言葉が生まれるということ、そこに小生はいささか哀しみのようなものを覚えずにはいられない。 小生の父にあたるタコと、母にあたるタコは海底で出逢うとすぐさま、8本、8本、計16本の足を絡め、ちょうちょう結び、いかり結び、あやとりの東京タワーなどを即興で作り上げながら、性の営みに情熱の限りをつくした。まさに「くんずほぐれつ」である。その記憶はいまも海に漂っており、ふとした海水の流れから当時の彼らの熱狂をうかがい知ることができる。 母にあたるタコが産卵し、小生の人生の出発点となったのは、原発の排水によってあたためられた海であった。
まずはこれを観てもらいたい。飛ばさないで全部観てほしい。 どうです、ぐっときたでしょう。感動したでしょう。スタイリッシュな映像にしびれたでしょう。 これらはすべて80年代のコカ・コーラのCMで、当時のイケイケ広告業界の底力が炸裂した素晴らしい作品群である。本当によくできていると思うし、プロダクション・バリューといいトータルのクオリティといい「シズル感」(笑)といい申し分が無い。CMとしては満点に近い出来栄えだ。嫌味ではなく、こういうCMを作った人たちをぼくはリスペクトする。よくぞ、ここまで嘘をつきました。本当は何の心もこもっていない映像で、インチキの「感動」を演出する手腕は実にたいしたものだ。パッと見の「良さげさ」以外、ここには何もない。そしてそれは圧倒的に正しい。これは「コカ・コーラ」を、本来「コカ・コーラ」とは何の関係もない「良さげ」なイメージと結びつけて、「なんとなく、コカ・コーラは
こんにちは。「Bootleg vol.0」を編集・デザインした侍功夫です。 来る5月23日に行われるイベント「第10回文学フリマ」に合わせて「Bootleg DYNAMITE!」を作りました。今回もボクが編集とデザインしています。前号に負けず劣らず、かなりキバって作りました。あいかわらず、まだ入稿していないので予断は許しませんが、一応告知いたします。よろしくねー。 今回は巻頭に黒人映画の特集を組んでいます。とはいえ、ムズかしい政治や人種問題などにはつっこまず、別の方向にツッコんでます。黒人アメリカ大統領も誕生したことですし、ここはひとつブラックパワーにあやかりたいところです。 ボクは特集の露払いとして70年代以降から現代に至る黒人映画の大雑把な歴史と、各時代に現れてはハミ出したクロすぎる黒人たちの記事を書きました。 そして、今回のトピックはやはり深町秋生先生と速水健朗さんの参加です。 深町
**千葉敦子, レシピ 養鶏場直営店から買ってきた新鮮な鶏レバーを使って、久々にレバーペーストを作った。私の定番レシピは、千葉敦子『ニュー・ウーマン―いい仕事をして豊かに暮らす法』で紹介されているもの。…週に一度ぐらいペースト類を手づくりにして、朝食のトーストに添えます。気に入っているレバー・ペーストのつくり方をお教えしましょうか。…コニャックとチーズの香り、滑らかな舌ざわりが素敵です。…レバーは鉄分を含んで増血作用もあり、蛋白質、ビタミンA、B1、B2、Cが豊かで、素晴しい美容食品です。日本では値段が安いのも魅力です。(p.182) ちなみに、私の行きつけの上記店の鶏レバーは、1パウンド(=450g強)$1.50。 ぷりんぷりんのレバーを流水にさらして血抜きしている間に、他の材料を揃え、玉ネギを薄切りして、いざ。 玉ネギの薄切りをバターで、つぶしたニンニクと一緒に炒めます。色づいてきた
数学ガール/ゲーデルの不完全性定理作者: 結城浩出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2009/10/27メディア: 単行本購入: 15人 クリック: 479回この商品を含むブログ (92件) を見る出先で読む本がなくなり、それそろ諦めてHaskellの勉強をしようかとプログラミング書のコーナーを歩いていたら、何故か置いてあった。「取りて読め」という声が聞こえ…数学ガールシリーズは初めて読むのだけれど、痛い現実からの逃避であると同時に痛い現実の美化であると読んだ。この作品は一人の少年と3人の少女(美少女であるらしい)との物語として、構成されている。4人の間には、数学と言う共通の関心がある。そして、少女たちはそれぞれ少年に思いを寄せているようだ。少年は女性にモテモテであるが、優柔不断で自信が持てずぐずぐず思い悩んだりする。特別数学に秀でているわけではないが、数学好きで、自分
2016年8月1日より再開しました。 五十日(ごとおび)はこちらに、全日は「boidマガジン」にて公開します。 http://boid-mag.publishers.fm
いつか読もうと思うので、あれこれメモ。 こちら文芸&学芸書籍編集部 年末から正月にかけて読む本を買いためておこうかと思っている読者諸賢よ。もしぼくのこの連載を本当に本選びの参考にしているのであれば、いま買って読むべき本はまず何をおいても服部正也『ルワンダ中央銀行総裁日記』(中公新書)だ。ずいぶん昔の本なのだけれど、長いこと絶版だったのが、この十一月にめでたく増補されて復刊した。 『ルワンダ中央銀行総裁日記』服部正也(中公新書) - blog.yuco.net この本については、ビジスタニュースで山形浩生氏が絶賛お勧めしているのを読んで、一時帰国していた夫に輸入してもらいました。非常に面白かったのでお勧め! 経済の詳しいことはわかりませんが、分からなくても十分楽しめます。 http://twitter.com/yuco/status/7538065924 『ルワンダ中央銀行総裁日記』服部正也
読書・文献案内(作成中) トクヴィルは「アレクシス」ではなく、「アレクシ」です。日本ではなぜか、専門家まで間違えているので・・・。 【フランス語文献】 Tocqueville : Les sources aristocratiques de la liberté / Lucien JaumeTocqueville humoriste / Hippolyte Wouters Tocqueville De la guerre au colonialisme : Les enjeux des démocraties modernes / Hervé Guineret Tocqueville et Marx de Nestor CapdevilaTocqueville et le devenir de la démocratie: La perversion de l'idéal / Jean
社会学, 読書・文献案内 ニック・クロスリーの社会運動研究"Making Sense of Social Movements"の邦訳『社会運動とは何か』が出たようですね。この本、僕は5年くらい前に読んだのですが、社会運動研究の概説書として非常に有用でした。その上、本書の第9章は従来の社会運動研究の理論枠組みをブルデュー社会学の解釈によって超克する試みであり、すごく面白かったし、大変刺激を受けました。 ニック・クロスリーのブルデュー解釈はかなり正確ですが、彼の良さはブルデュー論者というところにだけあるのではありません。むしろ、ブルデューと他の理論をつなぎ合わせ、ときにはブルデューを批判し、彼独自の社会理論の構築を試みているところにあります。また、彼は経験的研究と理論をつなごうという意識を強く持っており、このような姿勢から学ぶことは多いです。 クロスリーには、社会運動の理論的研究だけでなく経験
下記のエントリを興味深く拝読。リーディングのお話をダラダラと。……中略…… 「English Grammar in Use」をさんざん薦めたのにこう書くのもなんだけど、あれは所詮は小学校1年生の教科書。「さくら、さくら、さくらが咲いた」*1みたいな。 まぁ、「さくらを咲いた」と言わないために、そういった基礎は大切だと思うんだけど、でも、実際の英語は「おー、めっさキレイだ、さくらが咲いたぜ、おい!」みたいな感情を伴った表現がほとんど。さくら、さくら - はてな読み正直なところ、リーディングの話で「おー、めっさキレイだ、さくらが咲いたぜ、おい!」が出てくるのがぴんとこなかった。なぜなら大前提として、「話される英語」と「書かれる英語」は違うのだから。(話し言葉をそのまま文字に起こしたものは、「書かれる英語」とは違う。) 何を「実際の英語」とするかによるのだけれど、(「感情を伴った」というより)「
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